スペースX、2018年に民間人を月周回旅行へ
- 2017年02月28日
米民間宇宙企業スペースXは27日、民間人2人が月を周回する旅行を実施する計画を発表した。
スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)によると、飛行は2018年後半になる予定で、2人の旅行客は「すでに多額の手付金を支払った」という。
マスク氏は、「人間が45年ぶりに深宇宙に戻る機会となる」と語った。
参加する2人の氏名は公表されていない。使用される宇宙船は、年内に最初の無人試験飛行が予定されている。
マスク氏は、米航空宇宙局(NASA)の協力で旅行計画が実現可能になったと話した。
同氏はまた、2人が「これまでの誰よりも速く、太陽系の遠くへと旅することになる」としている。
2人の身元については、お互い知っている者同士で「ハリウッドの関係者ではない」ということ以外、明かされなかった。
マスク氏は、「先人であるアポロ宇宙飛行士たちのように、探索という人間の普遍的精神に突き動かされ、2人は全人類の希望や夢と共に宇宙に旅する」と述べた。
健康診断と体力テストを行い、年内に最初の訓練を開始する予定だという。
億万長者で起業家兼投資家のマスク氏によると、初回の飛行は無人で行い、2回目の飛行は2018年第2四半期、乗組員が乗船して行う予定。
マスク氏はまた、最初の旅客となる2人が「状況を理解し、危険が伴うことを承知の上で参加している」と説明した。
「2人は何も知らないわけではまったくないし、我々も危険性を最小限に抑えるようできる限りのことはすべてするつもりだ。ただし危険性はゼロではない」
マスク氏によると、この宇宙旅行客は月面をかすめて飛行しながら月を周回し、その後さらに飛行を続けるという。
月面着陸は行わない。
同氏は、月の接近通過飛行にNASAが最初に参加したい場合、優先権はNASAにあると説明した。
米国は1970年代初頭以来、宇宙飛行士を月に送り出していない。