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今回、「開運!なんでも鑑定団」の鑑定ミスをタイトルにしました。
まあ、正直なところ災難といいましょうか、大変だったんです。
これまで記事にしなかったのは、鑑定ミスに際して、製作スタッフの方にお世話になり、感謝の気持ちから公にしなかったのですが、石坂浩二も辞め、そろそろいいだろうとの判断からです。
また、収録後、まず英次郎さんに相談したところ、大変力になってくださり改めて心から感謝申し上げます。
2014年7月19日(土)知多市勤労文化会館に出張鑑定がやってきました
確か5名が鑑定品を持参、私は5番目の参加でした。
当日、まず市長からの長い挨拶があり、順次収録されます。
何しろ1名当りの雑談が長く、私の順番になると会場の皆さんもお疲れぎみでした。
1.開運!なんでも鑑定団」収録-私の順番です。
話は主に釣りの話で、家内も会場のスクリーンに映し出されて出演です。
そして、鑑定品の説明および、鑑定になります。
鑑定品は「鼠志野向付」です。
そして、中島誠之助が鑑定します。
鑑定の結果:「1万円!」
中島誠之助の説明
①『「鼠志野」ではなく「紅志野」です』
②「桃山のものではなく、作家が作ったもの」
私の心の叫び
ウソだ!あり得ない!
同番組で偽物と言われた方の気持ち理解できた!
収録後、控え室の戻り、スタッフに「これは美術館に貸出もした本物です」と言うも
「皆さんその様におっしゃります」と一蹴です。
このままでは、全国に私の鼠志野が偽物として知れ渡ると危惧します。
2.鑑定ミスを立証するしかありません。
製作時代や金額の鑑定は、中島誠之助の所感ですと言われればそれで終わりです。
ポイントは1つ、「紅志野」ではなく「鼠志野」であることを証明し、
中島誠之助の知識不足を証明するのみと考えました。
また、英次郎さんにも相談。
何らかの力になっていただけないかと手探り状態です。
独自調査に伺った先は次のとおりです。
①土岐市美濃陶磁歴史館 学芸員 平成26年7月20日訪問
②多治見美濃焼ミュージアム 学芸員 平成26年7月20日訪問
③高木典利氏 陶芸家 元岐阜県陶磁器資料館専門委員 平成26年7月20日訪問
現在公的歴史博物館評価選定委員
④MIHO MUSEUM 学芸員 平成26年7月23日訪問
3.翌日2014年7月20日(日)まずは美濃(土岐、多治見)へ
近年、資料館等の学芸員は真贋の判定行為を行ってはいけないとの通知があったようで
どこの資料館に行っても真贋判定はできませんとの事。
では、「志野の中でも、鼠志野、紅志野等、色々な種類があるが、何にあたるかだけで
も見て欲しい」と強引にお願いし、それだけであればと
○土岐市では、本品を出すなり、「鼠志野ですね」
同手の鼠志野が図録に載っていますのでと、図録を見せてくださいました。
「MIHO MUSEUM の5客揃いの鼠志野向付」です。
以前、桃山陶磁展を行った際に展示されたものです。
小さな声で、私的に言うと大丈夫ですよ。と言ってくださいました。
○多治見では、以前から知っている学芸員がお休みとのことで、
学芸員の一番上と思われる方が対応しえくだいましたが、
どうも志野については詳しくないようでした。
そこで、高木典利先生をご紹介いただきました。
高木典利先生は、志野の長石釉を研究されており、当館で講演をされたとの事。
4.長石釉から見た評価
その日のうちにミュージアムから先生に電話をしてくださり、スグ会えることに。
まず、当品を見るなり、「鼠志野ですね」
多数ある図録から、MIHO MUSEUMの鼠志野向付を取出し、これと同手ですね。
間違えなく「カリ長石」であり、99%桃山のものと言っていいでしょうと。
同氏結論から
『現代の志野に使われている長石は、平津長石(ソーダが多く入った長石)で、桃山時
代の志野に使われている長石は、カリ長石であることは、分析の結果から明確です。
本品の鼠志野釉薬は、カリ長石を使用しています。現代の作品ではありません。
また、カリ長石は、幕末頃に瀬戸でも使用しているが、その頃の技術でこの鼠志野を
作ることはできません。すなわち、桃山時代の鼠志野です。』
分類別に紅志野と云うことはありませんか?
分類別にみると「鼠志野です」と、「紅志野」と言う言葉対しては無視された。
また、これは焼かれ過ぎですか?と聞くと、全く問題ありませんとのことです。
(知らない人ほど焼かれ過ぎといいますが、これでいいとのことでした)
その他、鼠志野、釉薬の成分、藁灰の混ぜる量による違いなど、説明いただきました。
何でも鑑定団での中島誠之助の話をして、このまま放送されると偽物になるとからと
説明すると、何らかの1筆が必要でしたら言ってください。書いてあげますからと
言ってくださいました。
これで、偽物としての放送は免れるが、
さてどうすれば良いか?
5.2014年7月21日(月)日本広告審査機構へ電話
今回の「開運!何でも鑑定団」の一連の流れを説明。
日本広告審査機構からはこの電話があったことをテレビ東京に連絡してくださるとの事。また、テレビ東京側にどのようにして欲しいか(放映をやめるなど)決めておいた方がいいですよ。との事でした。
もう1箇所調べて、報告資料を作成し、テレビ局、製作会社に伝えることに。
同時に「開運!何でも鑑定団」の製作会社に電話、土岐、多治見で「紅志野」ではなく「鼠志野」であること、また、釉薬の研究の方から99%間違えないとの話を説明。
報告資料を作成し送るからと連絡。
つづく
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この記事に
おはようございます。
頑張りましたね。
いま休止中のブログですが、かさね日記と言う題名のブログがありまして、確か
真贋を確かめる為に、有田の陶磁会館に出向くんですが〜この記事をワクワクしながら読んだ事があります。
この記事は、それ以来の面白い内容のものです。
最初に写真を見ましたが、どう見ても枯れた感じなんですね。
ここまでの品物を作れる作家なら、まずサインをいれると思います。
そして昔の釉薬を再現させたとなると〜尚更〜立派な作家、しっかりとサインを
した方が、絶対おかねになりますよね。
鼠志野と紅志野の間違いはプロである以上は失格ですね。
ホンマ図録にも目を通していてほしいものです。
髭の小父さん〜この志野の鉢が出る事を知っていたのでしょうか?
2016/4/23(土) 午前 8:00 [ pada ] 返信する
padapadaさま、ありがとうございます。
頑張ってでしょう。
収録から放送まで約1ヶ月ですから、早い段階でなければ放送されます。
こんな思いで、実際の偽物として放送された方が多いと思います。
次回の結末、鑑定士からの書簡を出すことはチョットマズイと判断していますが、どのようになったか記事にしますね。
2016/4/23(土) 午前 11:22
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