菅野「課題はもうない」　豪州戦先発も言っちゃった

　第４回ワールドベースボールクラシック（ＷＢＣ）の日本代表「侍ジャパン」は２７日、強化合宿を行った宮崎市から福岡市に移動した。移動前に練習した菅野智之投手（２７）は気合のあまりか、１次リーグ第２戦・豪州戦の先発登板を思わず漏らした。移動後はチーム全員が福岡市内のホテルで出陣式に臨み、小久保裕紀監督（４５）はファン１０８５人の前で「世界一奪還」を高らかに宣言。２８日、３月１日はヤフオクドームで台湾プロ野球選抜と強化試合を戦う。

　死角が見当たらないからこそ、登板日を隠す必要はないのか。本番を見据える菅野が２７日、自信たっぷりに言い放った。

　「課題はもうない」。この日は宮崎市内で代表合流後初のブルペン入り。真っすぐにスライダーやカーブ、カットボールなど切れのある６０球を投げ込み「もうちょっとこうしなきゃとか、あれやっとけばよかったというのは許されない」と力を込めた。

　途中からは打者を立たせ多彩な球種で厳しいコースをついた。すでに戦闘モード。そんな右腕は「やってきたことを継続してやっただけ。今まで通りやってきたことをやりました」とサラリ言ってのけた。ワンバウンドするほど鋭く変化したスライダーは、先発が予想される８日の豪州戦を念頭に置いてのものに、ほかならない。

　「ちょっと、意図的にタテ気味に」と語った直後には「特に左打者は豪州も…って、それは言っちゃいけないか」と思わず漏らした。

　うっかりなのか、みなぎる闘志があふれ出たのか。３月８日の１次リーグ第２戦豪州戦（東京ドーム）の先発に向け、万全の調整ぶりをアピール。その投球を見守った権藤コーチは「一言でいうとものが違う。あれだけのボールだから前には飛ばない」と絶賛。２次リーグ進出の鍵を握る豪州戦の先発に太鼓判を押した。

　まずは３月１日に行われる台湾プロ野球選抜との壮行試合（ヤフオクドーム）に先発。そこで最終チェックをする。「しっかり０点で抑える。球数を極力少なく抑えてやっていくのが一番」。本番に備えたマウンドでさらに爪を研ぐ。　（小林良二）