
以前はとても高価だったホタテ貝が、比較的安く食べられるようになったのは、漁業関係者の方達が手間暇かけて中間育成を行い、安定した生産を行ってきてくれたおかげです。その中間育成を行うには、小さなホタテ貝を入れておくザブトン籠を固定するため、海底にアンカーブロックが設置されていますが、ロープとアンカーブロックをつないでいる環が著しく劣化しています。
そこで劣化したアンカーブロックを補修するため、アンカーブロックを引き上げなくてはなりませんが、引き上げにはさまざまな問題が生じました。

潜水士がアンカーブロックにワイヤーをかけてくる方法では、水深が50mもあるため、非常に危険な作業となること。
- しかも、ワイヤーをかける環が劣化していて、アンカーブロックを引き上げると環を切断してしまう恐れがあること。
- 起重機船で引き上げるにも、アンカーブロックが一体どこにあるのか、分からないこと。

このように色々と問題点がある中、アンカーブロックについているロープ(ブロック綱と呼びます)を頼りに専用のパケットを降下させて、アンカーブロックを引き上げるという方法を考案しました。
さらに、バケットには水中カメラを取り付けて、水深50mという厳しい条件下でも、視覚的にアンカーブロックを捉え、撤去することが可能となりました。