ソウル南部地検は26日、乗客との和解金狙いで過去7年間に155件の告訴を乱発してきたタクシー運転手、K容疑者(58)を起訴した。
ソウル市江西区在住のAさんは昨年9月、K容疑者が運転するタクシーに乗車し、金浦空港に向かおうとしたが、遠回りされた。飛行機に遅れそうになり焦ったAさんが「降りる」と言って、タクシーのドアを開いたが、K容疑者はAさんが降りられないようにドアが開いたままで数百メートル走行。Aさんが「すぐに止めろ」と叫ぶと、K容疑者は「営業を妨害した」と主張し、派出所(交番)に向かい、Aさんを告訴した。この一件でK容疑者は乗客を監禁した罪と問われることになった。
検察によると、K容疑者は2010年から江西区一帯でタクシーを運転し、目的地とは異なる方向へ運転したり、故意に乗客とトラブルを起こしたりした。その上で、乗客がK容疑者に暴言を吐いたり、暴力を振るったりした場合には、侮辱や暴行の疑いで告訴し、乗客から和解金の支払いを受けていた。K容疑者は2009年7月にも虚偽告訴罪で懲役6カ月(執行猶予2年)の判決を受けるなど、同様の手口で犯罪を繰り返していたことが分かった。
和解金狙いの告発・告訴事件は今回が初めてではない。2015年には光州市で1500件の虚偽告発を行っていた建築士I被告(55)が懲役2年6カ月の実刑判決を受けた。