【レビュー】自分で心を手当てする方法:ガイ・ウィンチ

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こんにちは!大学の臨床心理学コースで、カウンセリングなどの心理療法(セラピー)を学んでいるひぐらしです。

 

「心の専門家」になるべく、日夜勉強している僕が最近読んだ中で「この本すごいな」と思ったのがこの本です。

 

一家に一冊。ぜひ手にしていただきたい本です。

 

放置される心の傷

 

もし、転んで擦り傷ができたらどうしますか?

 

大抵、家に救急箱がありますよね。それで傷口を消毒して、ばんそうこうを貼るわけです。これは子供だって知っている常識です。

 

 

では、自分の愛している人が亡くなった時どうしますか?その心の傷はどのように手当てしたらよいでしょうか?

 

普通の人ならどうしたらいいかわかりません。なぜなら誰も教えてくれないからです。自信をもって教えられる人が少ない。

 

しかし、体の傷をほっておくと傷口が膿んでしまうように、心の傷もそのままにしておくと、雪だるま式に大きな問題になってしまいます。

 

 

心の傷にも「救急箱」が必要なのです。

 

 

こうした背景から、この本が生まれたわけです。一般の人でも、心の傷を応急処置できるように丁寧に書かれています。なので、題名が『自分で心を手当てする方法』なのです。

 

 

コラムーどうして心の傷には救急箱がなかったのか?

A. 効果が明らかにされていなかったから

心理療法やセラピーの効果を数値によって測定しようとしたのは、臨床心理学の歴史から見て比較的最近のことです。

実際、今でも「〇〇セラピー」と名乗る心理療法の中には効果が実証されていないものもあります。このようなセラピーが溢れているため、なんだかスピリチュアルな印象を持たれてしまうのです。例えるなら、よくわからん漢方薬が出回っているような感じです。

「なんかよくなったよね」ではなく、「数値でこれだけ効果が出ました」ということが報告できればそれだけ、信頼できるものとなります。心理学は、科学であり、セラピーは本来この姿を目指すものです。

科学的に明らかにされたものが、ある程度集まったからこそ、「救急箱」が作れるようになったのです。この本は、そうした科学的な知見に基づいているので信頼できる一冊となっています。

 

 

精神障害にならないための予防

誰もが経験する苦しみを手当てする

この本、章分けが珍しいんですよね。

 

  • 第1章自分を受け入れてもらえなかった時ー失恋、いじめ、拒絶体験
  • 第2章誰とも繋がっていないと感じる時ー孤独
  • 第3章大切なものを失った時ー喪失、トラウマ
  • 第4章自分が許せなくなったときー罪悪感
  • 第5章悩みが頭から離れないときーとらわれ、抑うつ的反芻
  • 第6章何もうまくいかない時ー失敗、挫折
  • 第7章自分が嫌いになってしまったときー自信のなさ、自己肯定感の低下

 

精神障害を予防するための本は、普通「うつ病」や「PTSD」など精神障害ごとにまとまっているのです。しかし、この本は日常に寄り添い、よくある苦しみごとに章立てがなされています。

 

気になった章はありますか?

 

この本のおすすめポイント

信頼できる研究を使っている

信頼できる雑誌に載っている、信頼できる研究をもとに書かれています。なので、「風邪の時は首にネギを巻くとよい」のようなマユツバな治療方法ではないということです。

巻末には、参考文献のリストがあります。専門に勉強したい学生にとっても、参考になる情報が充実しています。

 

手当ての方法が症状ごとに合わせて、STEPごとにまとまっている

「こんな症状が出ていたらこの手当て」「STEP1からSTEP4までを順番に」というように、実践しやすいようにまとまっています。まさに、「心の救急箱」という名にふさわしい一冊です。

 

Tedにも出てるよ!ーガイ・ウィンチ

ガイ・ウィンチという人は、有名な臨床心理士です。TEDにも出演しているので、こちらも参考にしてください!

 

 

ということで、オススメの一冊を紹介させていただきました!これからも、一般の方にも役立つ心のケアに関する情報をお伝えしていければと思うので、よろしくお願い致します!

 

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