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「被害届出したら住めんようにしたる」「俺らの顔立てて~や」…傷害被害者を救急車から降ろす、山口組系幹部2人逮捕
府警によると、直系組長らに殴られた4人のうち、最もけがの程度が重かったのは、クラクションを鳴らした男性の家族だった40代女性。救急隊員から応急処置を受け、救急車で病院へ搬送されるはずだったが、突如姿を見せた山口組直系「大原組」の幹部2人が、“圧力”をかけたという。
大井容疑者(49)は女性に対し「俺ら大原の顔を立ててーや。このまま病院行ったら街から追い出すで」と救急車から降りるよう指示。男性には「このまま警察に被害届出したらお前ら家族住めんようにしたるからな」と脅した。
さらに、大井容疑者よりも組で役職が上位の金容疑者は、「大原の顔に泥を塗るな。言うこと聞けへんのやったらホンマに出ていってもらうからな」と追い打ちをかけていた。
大原組は同区内に本部を置く地元の暴力団組織。のちに、女性は全治3週間の打撲と判明したが、当時は金容疑者らに屈する形で救急車を降り、現場を立ち去ったとされる。
その後、捜査員の度重なる説得を受け、昨年11月に被害届を提出。府警は、直系組長ら6人の逮捕と同日の今月23日に強要の疑いで大井容疑者を逮捕し、26日に金容疑者を逮捕した。
捜査幹部は「暴力団幹部に脅されたら、普通の人はなかなか抵抗できない。悪質な犯行であり、逮捕した暴力団幹部を厳しく追及する」としている。