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「被害届出したら住めんようにしたる」「俺らの顔立てて~や」…傷害被害者を救急車から降ろす、山口組系幹部2人逮捕
車の通行をめぐるトラブルで4人を殴って負傷させたとして山口組直系組長ら3人が逮捕された傷害事件で、大阪府警捜査4課は26日、被害者に被害届の提出を断念させようとした強要の疑いで、指定暴力団山口組直系「大原組」幹部、金芳次(52)と、同組幹部の大井栄治(49)の両容疑者を逮捕したと発表した。ともに容疑を否認している。府警は暴力団の威光を背景にした悪質な犯行とみて、さらに捜査を進めている。
事件のきっかけはクラクション
傷害事件は昨年5月15日午前2時ごろ、大阪市生野区内で発生。スナックで酒を飲み、3台の車に分乗して移動しようとした山口組直系組長3人と、それぞれの運転手役だった暴力団組員3人の計6人が、同市内に住む40代男性が運転する車にクラクションを鳴らされ、激高したことがきっかけだった。
6人は男性を車から降ろして近くの駐車場で取り囲み「(山口組の)直参(じきさん)にけんか売ってどうなるか分かってるんやろうな」などと脅迫。男性のほか、騒ぎを聞いて駆けつけた家族や知人ら3人を殴り、けがを負わせたとされる。
4人にけがを負わせた山口組直系組長は「極粋会」会長、森尾昇(59)▽「早野会」会長、鈴川憲司(48)▽「中島組」組長、里照仁(57)-の3容疑者。今月23日、運転手役の3人とともに暴力行為処罰法違反や傷害の疑いで府警に逮捕された。
当時、現場には警察官や消防隊員も駆けつけて状況を確認していたが、直系組長らの逮捕まで9カ月以上も要したのには理由があった。
突如登場、別の「直参」