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【保存版】実りのないブレストはやめよう!ブレインストーミング(ブレスト)を成功させるための準備・やり方まとめ
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こんにちは!
ユリカモメ病院の新人ナース、山下リコです。
突然ですが、あなたは「ブレインストーミング」をしたことがありますか?
ブレインストーミングとは、新しいアイデアを生み出す会議方法のことです。
メンバー全員の頭脳を(ブレイン)を使って、課題に突撃(ストーミングすることから、ブレインストーミングと呼ばれています。
(ブレインストーミングを省略して「ブレスト」「BS」などと呼ぶこともあります)
そんなブレインストーミングは、参加者が自由にアイデアを出すことが特徴で、アイデアが新たなアイデアを生み出すという相乗効果が期待できます。
また、ブレインストーミングの効果はそれだけでなく、自由な雰囲気で話し合うことで参加メンバー同士の仲を深めたり、視野を広げたりできるんです。
そのため、ブレインストーミングは、会社での会議をはじめ、学校や街づくりでも広く使われています。
ただ、ブレインストーミングはなんとなく進めてしまうと、効果が得られないこともあります。
せっかくブレインストーミングが盛り上がったとしても、それでは時間をムダにしてしまいますよね・・・。
また、ブレインストーミングの場で意見が出ず、議論が盛り上がらないという事態もよく起こります。
実は、その原因は上司が参加していることだったりするんです。
上司がブレインストーミングに参加していると発言しにくいと感じる人が多いので、できれば上司を含めずにブレインストーミングをすることをオススメします。
このように、ブレインストーミングが失敗してしまう原因のほとんどは、ブレインストーミングのルールを知らないことなんです。
というわけで、今回はブレインストーミングを成功させるためのルールや手順について、くわしく紹介していきますね。
それではまいりますっ!
ブレインストーミングのメリット3つ
ブレインストーミングをするメリットは、以下の3つです。
- 1.新しいアイデアが生まれる
- ブレインストーミングは、自由に意見を交換しながら、複数のアイデアのいいとこどりをして、アイデアを発展させていきます。
すると、アイデアの連鎖が起きて、ひとりでは思いつかない斬新なアイデアが生まれる可能性があるんです。 - 2.参加メンバー同士の仲が深まる
- ブレインストーミングは、お互いの意見を批判せずに、自由な意見を出していきます。
そのため、気軽に意見交換ができるので、参加メンバー同士の理解が深まり距離がグッと近くなるんです。 - 3.参加メンバーの視野が広がる
- ブレインストーミングは、ほかの人のアイデアを聞くことができるので、「そういう考え方があったのか」という気づきがあります。
そのため、参加メンバーが視野を広げることができるんです。
このように、ブレインストーミングにはさまざまなメリットがあります!
では、さっそくブレインストーミングのルールについて説明しますね。
ブレインストーミングの基本ルール4つ
ブレインストーミングの効果を高めるには、これから紹介する「4つの基本ルール」を実行してくださいね。
- 絶対に批判しない
- 自由奔放に意見を出す
- 質よりも量を重視する
- アイデアを発展させる
【ブレインストーミングのルール】
1.絶対に批判しない
誰かの意見を絶対に批判しないことが、ひとつめのルールです。
なぜなら、自分の意見を否定されると自由な発言ができなくなってしまうからなんです。
ちなみに、批判はダメですが、「〇〇はいいですね!さらに△△するともっと良くなりそうです」と肯定してアドバイスすることは問題ありません。
お互いのアイデアのいい面を褒めていくと、その場の雰囲気がよくなり、活発な意見交換につながります。
【ブレインストーミングのルール】
2.自由奔放に意見を出す
固定観念にとらわれずにたくさんのアイデアを出すことがブレインストーミングの目的です。
そのため、「こんなアイデアを言ったら笑われるかも・・・」と思わずに、自由に発言することが大切なんです!
突飛なアイデアの中に、斬新なアイデアが眠っているかもしれません。
参加メンバー全員が積極的に発言できるように、”奇抜なアイデアを歓迎する”ぐらいの雰囲気で進めていきましょう。
【ブレインストーミングのルール】
3.質よりも量を重視する
ブレインストーミングの目的はアイデアを出すことなので、アイデアの質よりも、まずは量を出すことを重視しましょう。
というのも、ブレインストーミングはアイデアの量を増やすことで、アイデアを発展させて質を高めていくものだからです。
そのため、アイデアを思いついたら、「こんな平凡なこと言ったらダメかな」と思ったりせずに、どんどん発言してくださいね。
【ブレインストーミングのルール】
4.アイデアを発展させる
ブレインストーミングでは、積極的にほかの人のアイデアに便乗し、アイデアを組み合わせてみましょう。
お互いのアイデアのおもしろい点を見つけていくと、それをヒントに自分のアイデアも出しやすくなりますよ。
ブレインストーミングの基本ルール4つは理解できましたか?
この基本ルールはブレインストーミングを成功させるためにとても重要なので、参加メンバー全員が意識するようにしてくださいね。
では、ここからはブレインストーミングの事前準備と手順を説明していきます!
ブレインストーミングの事前準備を整えよう
ブレインストーミングを始めるための準備は、以下の4つです。
- 場所
- 時間
- 道具
- 参加メンバー
【ブレインストーミングの準備】
1.場所
会議室など、ブレインストーミングに集中できる場所を用意しましょう。
お互いの顔を見ることができて、アイデアをまとめるホワイトボードが全員から見える配置にしてくださいね。
【ブレインストーミングの準備】
2.時間
ブレインストーミングの時間は、集中力がきれないように、30~40分を目安に行いましょう。
もし、1時間を超える場合は、途中で休憩を入れてくださいね。
【ブレインストーミングの準備】
3.道具
ブレインストーミングに必要な道具は、以下の3つです。
- 大きなホワイトボードもしくは模造紙、太いペン
- メモ帳もしくは付箋(参加人数分)
- 筆記用具(参加人数分)
まず、全体のアイデアを記入していくために、大きなホワイトボードや模造紙を用意します。
そこに全員が見える大きさ・太さでアイデアを書いていくので、太いペンも必要です。
さらに、各自がアイデアを記入するために、メモ帳もしくは付箋、筆記用具も用意しましょう。
【ブレインストーミングの準備】
4.参加メンバー
ブレインストーミングの適正人数は、5人~10人です。
それより少ないとアイデアが生まれにくく、多すぎると傍観者になる人がでてしまうんです。
また、ブレインストーミングの議題に関して専門的な知識をもつ人は参加メンバーの半数以下にして、なるべく違う専門分野をもつ人を集めましょう。
なぜかというと、専門外の人は固定観念がないので、常識にとらわれないアイデアを思いつきやすいからです。
また、意見を出しやすい雰囲気を作るためには、参加メンバーの上司にあたる人は同席しないことをオススメします。
上下関係がない人同士のほうが、和気あいあいとした雰囲気でブレインストーミングを進めることができるんです。
このように準備が整ったら、ブレインストーミングを開始しましょう!
ブレインストーミングの手順4つ
ブレインストーミングの具体的な手順は、以下のとおりです。
- リーダーと書記を発表する
- リーダーがテーマや予定時間、目標アイデア数を発表
- 各自がアイデアをメモにまとめる
- 順番に意見を発表していく
【ブレインストーミングの手順】
1.参加メンバーからリーダーと書記を発表する
まずは、ブレインストーミングを進行する「リーダー」と、全員の意見をホワイトボードにまとめる「書記」を発表します。
それぞれの役割をくわしく説明しますね。
リーダーは、コミュニケーション力が高く、事前準備をできる人が向いている
リーダーの役割は、ブレインストーミングをスムーズに進行することです。
そのため、基本的に個人としての意見は発表しません。
そして、ブレインストーミングの場を自由で楽しい雰囲気にする、テレビ番組の“司会者”のような役割もします。
たとえば、会議のはじめに少し雑談したり、全員に話を振ったりして場の空気を温めるんです。
また、リーダーはブレインストーミングのテーマを事前に確認しておき、話し合うポイントを洗い出しておきましょう。
事前準備ができていないと、アイデア出しの方向性を見失ったり、せっかく出たアイデアを活かせなかったりするからです。
このように、リーダーが果たす役割は広いので、誰がリーダーをするかはとても重要です。
リーダーは、明るくてコミュニケーション力が高く、準備をきちんとできる人が向いています。
書記は、字がキレイで、頭がきれる人が向いている
書記は、ブレインストーミングがスムーズに進行するように、リーダーをサポートします。
具体的には、出てきたアイデアを発言順に番号をふってホワイトボードにまとめたり、大きな声で読み上げたりします。
出てきたアイデアが長かった場合は、要点をまとめて記載するなどの工夫も必要です。
そのため、書記は、字がキレイで声がよく通り、頭がきれる人が向いています。
ちなみに、書記はリーダーとは違い、自分の意見を発言しても問題ありません。
ブレインストーミングの当日にリーダーと書記を決めようとすると、それ自体に時間がかかってしまう恐れがあります。
また、リーダーは事前準備が必要なので、急に指名されるとブレインストーミングがスムーズに進みません。
そのため、ブレインストーミングの開催が決まったら、あらかじめリーダーと書記を想定しておくことをオススメします。
【ブレインストーミングの手順】
2.リーダーがテーマや予定時間、目標アイデア数を発表
いよいよブレインストーミング開始です!
まず、リーダーがブレインストーミングのテーマや予定時間、目標アイデア数を発表し、書記がホワイトボードに書き出します。
ブレストのテーマは、できるだけ具体的にしましょう。
そのほうが、参加メンバーがブレインストーミングのゴールを理解しやすく、アイデアが出しやすいからです。
以下のように、「〇〇するにはどうしたらよいか」「〇〇の課題はなにか」などのテーマ表現がブレインストーミングに向いています。
- 社員全員が残業時間を月20時間減らすにはどうすればよいか
- 自社の人気商品の課題はなにか
- 共有データをきちんと最新状態にしておくにはどうすればよいか
逆に、抽象的なテーマや、参加メンバーの問題意識から遠いテーマは、意見が出にくいので避けましょう。
ちなみに、ブレインストーミングで話し合うテーマは、ひとつに絞ってくださいね。
【ブレインストーミングの手順】
3.各自がアイデアをメモにまとめる
次に、3分ほどの所要時間で、各自がアイデアをメモに書き出していきます。
書き出すときは、箇条書きなどで簡潔にまとめると、あとで見返すときにわかりやすいです。
また、テーマについては、できるだけ色々な角度から考えましょう。
先ほどお伝えしたように、ブレインストーミングでは質より量が大事なので、たくさんのアイデアをひねり出すことを意識してくださいね。
【ブレインストーミングの手順】
4.順番に意見を発表していく
各自の意見がまとまったら、リーダーが発表順を決めて、順番にアイデアを発表していきます。
アイデアが発表されたら、書記は大きく読みやすい字でホワイトボードに書き出し、大きな声で読み上げましょう。
それ以外のメンバーは、共有したアイデアを聞いて「おもしろいアイデアだな」と思った部分をメモしながら、自分のアイデアをさらに練っていきます。
もし、誰かのアイデアに便乗できるアイデアを思いついた場合は、自分の順番でなくても挙手をして発言して大丈夫です。
こうしたやり取りが増えると、気軽に発言できる雰囲気になっていきます。
注意点としては、発言の順番がまわってきたら、必ずひとつ以上はアイデアを発言しなくてはいけません。
たとえば、自分のアイデアが誰かとかぶってしまって新しいアイデアがない場合は、「〇〇さんと同意見です」と発言するだけでは不十分です。
誰かの意見を発展させたり、自分の意見と組み合わせたりできないかを考えて、オリジナルのアイデアを発表するようにしましょう。
そのためには、ほかの人のアイデアをきちんと理解する必要があるので、ブレインストーミングの間は集中してくださいね。
そして、すべてのメンバーが発言し終えたら、もう一度はじめの人から発表していきます。
このサイクルを、3回ほど繰り返すことできるとベストです。
ここまで、ブレインストーミングの具体的な流れを説明してきました。
この方法でブレインストーミングをしてみると、かなりの数のアイデアが生まれると思います。
ひとりでは決して思いつかないアイデアもたくさんあるはずです。
ただ、ブレインストーミングをしたら終わりではありません。
ブレインストーミングはアイデアをたくさん出すことが目的なので、そのアイデアが現実的かなどの評価は行いませんよね?
そのため、ブレインストーミングが終了した段階では、たくさんのアイデアがホワイトボードに並んでいるだけという状態なんです・・・。
このままでは、せっかくのブレインストーミングを活かせないので、最後にアイデアをきちんと整理することが大切なんです!
というわけで、ブレインストーミングのアイデアをまとめる方法について紹介しますね。
ブレインストーミング終了後は、アイデアを整理しよう
ブレインストーミングで出たアイデアは、「KJ法」という方法で整理するのがオススメです。
KJ法とは、ブレーンストーミングで出てきたアイデアを整理し、問題解決に結びつけていくための方法なんです。
文化人類学者の川喜田二郎氏が考案したことから、KJ法と名づけられました。
このKJ法による整理は、ブレインストーミングの翌日など、参加メンバーの頭が冷静になるタイミングで行いましょう。
また、ブレインストーミングのときに参加メンバーが書いたメモを回収しておくと、整理のときに役立ちます。
KJ法は、以下の手順で進めていきます。
- 1.すべてのアイデアをチェックする
- ブレインストーミングで出てきたアイデアを見直し、ダブりがないようにまとめます。
このチェックの際は、ブレインストーミングで禁止していた“批判”を解禁して、冷静な判断をしましょう。そして、アイデアの実現可能性などをきちんとチェックし、不要なものは省いていくんです。
ダブリがないようにチェックするときは、ロジカルシンキングの「MECE(ミーシー)」が役立ちます。
MECEとは、モレなダブリなく情報を整理する考え方のことです。
以下の記事で、くわしく説明していますので、よかったらチェックしてくださいね。 - 2.関連するアイデアをグループ化する
- 関連しているアイデアを、ひとつのグループとしてまとめます。
ひとつのグループに入れるアイデアは、7つ以下を目安にしましょう。
関連性が低いアイデアは、ムリにグループに分類せず、それ自体をひとつのグループとします。 - 3.グループに名前をつけ、それぞれの因果関係を考える
- 分類したグループごとに名前をつけます。
そして、グループ同士の共通点や因果関係を考えて、整理していくんです。 - 4.テーマの結論を文章化する
- アイデアが整理できたら、ブレインストーミングの結論を文章としてまとめます。
もし、まとめていく工程で新しい課題が見つかれば、後日さらにブレインストーミングを行うのもオススメです。
このKJ法は、最近では小学校や中学校などでも取り入れられています。
ブレインストーミングで出てきたアイデアの整理に役立つので、ぜひ試してみてくださいね。
以下のページでは、KJ法のくわしい手順が紹介されていますので、興味がある人はチェックしてください。
KJ法の考え方は、モヤモヤとした悩みを整理するときにも有効です。
もし、看護師の人で仕事の悩みを抱えている場合は、ナースフルのような紹介会社に相談してみるのもオススメです。
いかがでしたか?
ブレインストーミングを行うと、たくさんのアイデアがたくさん生まれるだけでなく、参加メンバー同士の仲が深まるなど、多くのメリットがあります。
実際にブレインストーミングをするときには、ぜひこの記事を読んで準備や手順を確認してくださいね。
この病院の勤務体系改善についてブレストしたいけれど、私とリコちゃんだけじゃメンバーが少ないわね。
そうですね。
というわけで、中村君を呼んでみました。
よろしくお願いします。
中村君・・・!
では、この病院の勤務体系改善について、意見をどうぞ。
出番をください。
・・・はい、ほかの意見はないかしら。
僕に出番をください。
・・・ほ、ほかにはないかしら。
もっと出番をください。
・・・なんか、ごめんなさい・・・。
当コンテンツは、架空のキャラクターである山下リコと伊集院ヨシミが話者となり、あなたの生活に役立つ話をできるだけわかりやすく解説しています。