超少子高齢化によって一般家庭にもたらされた問題のひとつとして挙げられるのが「老老介護」です。
この老老介護、実際に見たことのない人には分かりにくいのですが、想像を絶するくらい悲惨なんです。
それなのにこのまま未婚化、少子化が進むと老老介護では済まされず「老老老介護」だって起こりうるのです。
老老老介護?なんじゃそれは!?
老老老介護は私が勝手に作った言葉なのですが、、、
老老介護の上を更にいく悲惨な状況なのは間違いないです。
詳しくは本文で説明しますね!
とにかくこのまま老老介護のことを知らずに歳をとっていくと、悲惨な老後を迎えることにつながりかねないのです。
なので
・老老介護はどのような問題を抱えているのか
・老老介護を回避するために今から出来ることは何か
・今後増える老老老介護って一体どういう状況か
を説明していきます。
老老介護とは
老老介護とは名前の通り、老人が老人を介護するという意味です。
老老介護の原因
なぜ老人が老人の介護をする世帯が増えているのかを説明します。
老老介護の大きな原因として3つ挙げられます。
・長寿化
・少子化
・核家族化
によるものです。
・長寿化
下記のグラフは国民の平均寿命と健康寿命の数位を男女別で表しているグラフです。
出典:厚生労働省
健康寿命とは平均寿命から、衰弱、認知症、病気など介護を要する期間を差し引いた寿命のことです。
男女とも平均寿命と健康寿命との差が10年前後空いていることが分かります。
介護を要する期間は人によって様々ですが、平均すると死ぬ前の10年間は介護を要する状態で生活しているということになります。
日本は長寿大国といわれていますが、決して健康大国というわけではなく長寿化によって介護の問題が深刻化しているのです。
今の日本では少子化と核家族化により高齢者のみの世帯が増加しています。
以下のグラフは高齢者のいる世帯の構成割合を表しているグラフです。
(このグラフでは65歳以上を高齢者としてカウントされています)
出典:厚生労働省
3世帯家族は減少している一方で、単身世帯や夫婦のみの世帯が増加しています。
また親と未婚の子のみの世帯も増加しています。
これは未婚化により増えている家族構成です。
このような家族構成が増加している中、家族が介護が必要となった場合どのような人が介護者となっているのか、またその人の年齢はどのようになっているのかみていきましょう。
出典:http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/nursing/7.html
上記2つのグラフを見ると主な介護者は配偶者、子、子の配偶者であり、介護者の6割以上が60歳以上ということが分かります。
「子」といっても、親の年齢が90歳以上となれば子もかなりの高齢となります。
ここで「子」の「子」にあたる若い世代に介護の支援を受けられるといいのですが、働き盛りの若い世代は都心に上京しているケースも多いです。
また「子」が未婚の場合は、誰にも頼ることが出来ません。
以上のように長寿化、少子化、核家族化が老老介護の大きな原因となっています。
またその他に高齢者の2つ貧困も老老介護の原因となっています。
まず一つ目の貧困とは経済的な貧困です。
今は高齢者の6人に1人が老後破産するくらい高齢者の置かれている現状は厳しく、年金だけではとても生活が難しくなっています。
そのため施設に入りたくても経済的な問題から施設に入れない高齢者が多くいます。
次に情報の貧困です。
今ではインターネットは国民のライフラインの1つとなっています。
しかしインターネットを使いこなせない高齢者は多くいます。
そのためネットで介護による情報を流しても、その情報を知る術がないのです。
結果、介護保険の存在なども知ることが出来ず、自分達だけで介護の問題を抱えてしまっている世帯も多く存在します。
また介護保険などの存在を知ったとしても「自分の家のことに他人が介入してくるのはイヤだ」と拒否したり、きちんとした介護が出来ていない状況であっても「自分は出来ている」と思い込んで断ったりする人もいます。
これらも老老介護が増加している背景ともいえるでしょう。
老老介護の問題点
老老介護にはどのような問題があるのか説明していきます。
虐待のリスク
介護はかなりの重労働です。
・認知症でひと時も目を離せない
・寝たきりで着替えやおむつ交換を一人でしないといけない
・車いすに移る時に体を抱えないといけない
このような介護は、高齢の人にとってかなりの身体的、精神的な負担となります。
また介護者が介護相談の窓口に関する情報を知らなければ、どこにもSOSを発信することが出来ません。
そのため介護者が介護によるストレスを一人で抱えざるを得なくなります。
そのような状況がネグレクトなどの虐待や、最悪の場合は家庭内殺人などにも
繋がります。
認認介護のリスク
認認介護とは認知症の人が認知症の介護をしていることを指します。
この認認介護も増加傾向です。
現に80歳前後の夫婦の11組に1組は認認介護になっているのではないとも示唆されています。
この認認介護はもともと老老介護だったのが、徐々に双方に認知症の症状が出てきて結果的に認認介護になっていたというケースが多いです。
認認介護になるとさらに自らSOSを発信することが難しくなり、どんどん社会的に孤立してしまいます。
また認知症により、火の不始末など事故の危険性も高くなります。
きちんとしたケアが出来ない
高齢者は新しいことを習得するのが難しいという特徴があります。
また妻が夫の介護をする場合、自分よりも大きな人を抱えたりしないといけません。
なので認認介護だけでなく、老老介護でもきちんとしたケアを行うことが難しくなります。
そのため
・体中に床ずれが出来ていた
・何か月間もお風呂に入っていなかった
・きちんとオムツをあてることが出来ず、汚物だらけになっていた
・水をムセていたけど、本人が欲しがるからあげており、その結果肺炎になった
・薬を適切に飲ませることが出来ていなかった
こういうことが起こりうるのです。
このようにきちんとケアが出来なことに加えて、緊急時の判断が出来ないという場面も目立ちます。
かなり衰弱している状態を、たまたま近所の人が気付いて救急車を呼んだという場面を多く見かけます。
介護者が体を壊した後の問題
老老介護の場合、介護者も持病を抱えている場合が多く、また高齢という年齢的なこともあり、いつ体を壊しても不思議ではありません。
しかし介護者が急に入院するとなると、今まで介護されていた人は突然介護者を失うことになります。
また介護者が体を壊してから入院するまでの間、介護がほとんどされていなかったというケースもあり、一歩間違えば死亡していた可能性さえあるのです。
実際にあった老老介護の事例
ここで老老介護にまつわる実際にあった事例を紹介します。
Aさん 男性 84歳
妻と2人暮らし。
そのためAさんが妻の介護をしていました。
しかし知らず知らずの間にAさんも認知症が発症。
長期間のあいだ入浴せず、トイレも失禁しているという状況でした。
そんなある日Aさんは脱水で入院してきます。
ご飯もまともに食べていなかったようで、ガリガリに痩せこけていました。
かなり衰弱していたので、万が一の時に延命治療をするかどうするかの説明を家族にしたいのですが、家族は認知症の妻しかいません。
(Aさんが入院中、妻はショートステイで預かってもらってました)
Aさんの体調は改善しましたが、このまま退院すること、ましてや妻の介護を続けることは無理だろうということで施設入所の説明がされました。
しかし施設の入所は無理だといいます。
話をよくよく聞いていると、Aさんには施設に入所している妹がおり、その妹の入所費をAさんの年金から支払っているというのです。
そのためAさんと妻は施設に入る金銭的余裕などありません。
結果、Aさんは訪問介護を導入するという形で自宅に退院し、今も妻と一緒に暮らしています。
このようなAさんのケースは決して珍しいものではなく、高齢者のみの世帯ではよく見られる問題です。
そしてこのような介護問題を抱えた高齢者世帯は増加しているのです。
独身増加の新局面 老老老介護ももう目前
今まで老老介護について説明してきました。
しかしこのまま少子高齢化、未婚化が進むと一人の老人が一人の老人の介護をする老老介護に留まらず、一人の老人が2人の老人を介護しなければならないという状況も起こり得ます。
例えば
・自分の兄弟が未婚だった場合に、配偶者と自分の兄弟の介護をしなければならない
・叔父や叔母が未婚だった場合、自分の親だけでなく叔父や叔母の介護もしなければならない
という状況です。
今回事例に挙げたAさんも、妹の施設の費用を工面しているという点では老老老介護といってもいいでしょう。
今後は受けられる年金額もますます減ります。
また高齢者の人数が多すぎて
・施設に入所出来ない
・必要なだけの介護サービスを受けられない
ということも十分に起こりえます。
そのため老老介護の問題は、年々深刻化していくことが予想されます。
老老介護という難局を乗り越える3つの方法
少子高齢化が進む以上、老老介護は誰の身にも起こりうる問題です。
なので今のうちから老老介護という難局を乗り越えるための方法を知り、準備しておきましょう。
自分の介護環境を整えておく
自分の周りの介護環境を整えておきましょう。
これは自分が介護される側、する側どちらの場合でも重要です。
可能ならば結婚し、老後も頼りにできる子どもがいるに越したことはありません。
しかし結婚が難しい場合は、可能な限りお金の準備をしておきましょう。
貯金はもちろん任意の年金保険や介護保険に加入しておくことをオススメします。
他にも不労所得として得られる株の配当金や、不動産の家賃収入などがあればより安心です。
延命治療について考えておく
健康寿命と平均寿命との10年の差の背景には、延命治療の問題も関係しています。
平成24年度の調査で91%の人が「延命治療は行わず自然に任せて欲しい」と答えています。
しかし万が一の時には医師から家族に延命治療の有無についての話がされます。
その時に本人に意識があればいいのですが、
・意識がない
・認知症で意思の疎通が難しい
場合は家族の判断に委ねられます。
そして家族は急な判断を迫られ、よく分からないままに延命治療を希望してしまうということが今も多く見受けられます。
しかし延命治療により命は助かったとしても、その後その家族は「介護」という大きな課題を抱えることになります。
家族に負担を掛けたくない、延命治療してまで生きたくないという思いのある人は、健康なうちからその意向を家族にも伝えておく必要があります。
延命治療の意思表示含め、しておくべき終活についてこちらをご覧ください。
終活は人生最期の贈り物 家族の絆が深まる6つのメッセージ
利用できるサービスを知っておく
介護保険とは40歳以上の国民全員が加入することになっています。
65歳以上の人で要介護認定により介護が必要だと認定された人が、必要な介護サービスを受けることの出来るしくみです。
40歳~65歳未満の場合でも、介護保険に指定されている特定疾患の場合は介護保険を利用することができます。
介護保険を利用したい場合は、お住まいの地域包括センターや市役所窓口に相談することで申請出来ます。
また高齢者のみの世帯が安心して生活できるように、自治体では様々な見守りサービスが実施されています。
・緊急通報ペンダントの配布
・日常生活用品の貸し出し
・ボランティアによる自宅訪問
など自治体によって内容は異なりますので、事前に自分の自治体がどのようなサービスをしているのか調べておくのもいいでしょう。
民生委員についても説明します。
民生委員とは都道府県知事に推薦されたボランティアの人のことで、各自治体に配置されています。
民生委員は生活上の悩み相談に応じてくれます。
他にもセコムやアルソックなどのセキュリティ会社も、有料となりますが様々な見守りサービスの実施や健康相談窓口の設置などをしています。
このように今後介護の問題を抱えた際に相談出来る窓口やサービスを知っておくことで、一人で抱えないでいいように準備しておきましょう。
まとめ
老老介護の原因
・高齢者の経済的貧困と情報の貧困
老老介護の問題点
・虐待のリスク
・認認介護のリスク
・きちんとしたケアが出来ない
・介護者が体を壊した後の問題
老老介護という難局を乗り越える3つの方法
・自分の介護環境を整えておく
・延命治療の意思表示をしておく
・利用できるサービスについて知っておく
このまま少子化、未婚化が進むと老老介護では留まらず老老老介護も起こりえます。
そのような厳しい現状を打開するためにも、老後の介護問題に備えておきましょう。
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