中国が北朝鮮からの石炭の輸入を停止したことを受けて、中朝関係がぎくしゃくしている。北朝鮮の朝鮮中央通信は23日、「対外貿易も完全に遮断するという非人道的な措置もためらいなく講じている」との論評を出した。中国の名指しは避け、「『親善的な隣国』だと言っている周辺国」としたものの、北朝鮮が友好国の中国を批判するのは異例だ。
中国は18日、年内の輸入停止を発表。商務省は、5度目の核実験を受けた昨年11月の国連安全保障理事会の制裁決議で定められた上限(年間750万トンか年間約4億ドル)に近づいたためと説明した。ただ、中国の貿易統計によると、1月の輸入量は144万トン(約1億2千万ドル)余り。中朝関係者の間では「本当に上限に近づいているのか」などと、政治的な意図をいぶかる声もある。
朝鮮中央通信は「いくらかの金を断ち切ったからといって、我々が核兵器を作ることができず、大陸間弾道ロケット(ミサイル)を作ることができないだろうと考えること自体が幼稚極まりない」と主張。制裁決議などにかかわりなく、核・ミサイル開発を続ける考えを強調した。
一方、中国共産党機関紙・人民日報系の国際紙「環球時報」は24日付の社説で「制裁を厳格に実行し、北朝鮮の反応に影響されるべきではない。北朝鮮に、中国と全面対決する能力はない」と指摘。中国外務省の耿爽副報道局長は24日の会見で「中朝は友好的な隣国で、発展に向けてともに努力したい」としつつ、「国際社会の責任ある一員として制裁決議も着実に実行していく」と述べた。(ソウル=東岡徹、北京=延与光貞)
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朝日新聞国際報道部