石田クリニックQ&A

コラーゲン、ヒアルロン酸、ボトックスQ&A      (1)

目の整形Q&A       (2,3,4,5)

口の整形Q&A     (6)

脂肪吸引Q&A     (7)

脂肪注入Q&A     (8)

.ワキガ防止Q&A   9

クリニックの選び方と医師の肩書き  (10)

 

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1.コラーゲン、ヒアルロン酸、ボトックスなどの注射について教えてください。

 吸収されてしまうというのは本当ですか?副作用や、料金的な事も知りたいのですが? また、最近よく聞くヒアルロン酸とかボトックス注射についてもお願いします。

コラーゲンとは、ウシの皮膚から抽出、精製したもので、皮膚の細胞と細胞をつなぐ膠原繊維のことです。人体にとっては異物ですから、約半年程度で吸収されてしまいます。ただむしろ、吸収されるから安全とも言える訳です。また、コラーゲンに対してアレルギーのある人が100人に3人程いますので、顔に注入する前に腕などの場所でテストが必要です。テスト後約一ヶ月経過を見てアレルギーがなければ、治療ができます。コラーゲンに関しては昨年来、狂牛病についての心配が患者さんからよく聞かれましたが、製造業者、厚生省などの見解では問題ない(米国のコラーゲン抽出用の隔離されたウシであるなど)とのことで、医師達は現在も普通に使用しています。

一方、ヒアルロン酸というのは、使用目的はコラーゲンとほぼ同じで、顔のシワに直接注入してシワを目立たなくするものですが、こちらはほとんどの成分が人工物で、一応動物性タンパクでないことから、コラーゲンのようなアレルギーテストが必要ないとゆうことになっています。しかし、個人的な見解ですが、できればテストしたほうが無難と思います。費用は、注入する量によって決まり、大体1〜10万円と考えれば良いと思います。例えば眉間のシワ一本なら2〜3万円ぐらいです。(コラーゲンもヒアルロン酸も同じ)

ボトックスというのはA型ボツリヌス毒素製剤のことで、ボツリヌス菌の持つ神経毒作用を利用して、顔の表情筋を部分的にその動きを止め、シワができなくするものです。ですから、さきのコラーゲンやヒアルロン酸とは全く作用幾序の異なるものです。単にシワが無くなるだけでなく、表情自体にもある程度の影響が出るものです。申し訳ありませんが、私のクリニックでは、ボトックスの治療は行なっておりません。

  2.二重の手術について教えてください。

 切る手術と切らない手術があると聞きましたが、どう違うのでしょう?また、切らない手術では二重がはずれてしまうことがあると聞きましたが本当ですか?費用のことも教えてください。

  切らない手術とは、一般的に埋没法と呼ばれている方法で、マブタの表と裏を非常に細いナイロン糸で結ぶやり方です。長所は、腫れが少ない、傷がない、手術が簡単、元に戻せる、サイズの変更がしやすい、などがあり、最近10年間はこの手術を希望する患者さんが大変多くなっています。

  ただ、欠点として、たまに外れて元に戻ってしまう、糸の結び目がマブタの皮膚の下に小さなしこりとして気になる場合がある、年月がたつにつれて少し二重が浅くなったり狭くなったりする、などがあります。

  はずれてしまった場合は、もう一度止めなおすしかない訳で、この場合、また料金がどのくらいかかるかは病院によって様々のようです。また、埋没法では切開法に比べて手術適応に限界が多いことも確かです。

 余分な皮膚や筋肉、脂肪を取り除く訳ではないので、マブタの厚い人や皮膚のたくさん余っている人には不向きです。費用は私のクリニックでは8万円です。

 切る手術、切開法では、傷が残る(といっても、数ヶ月もすればほとんど目立たなくなってしまいますが)かわりに、二度と外れない、どんなマブタでもある程度の二重を作れるという利点があります。手術後5日間は糸がついていて、抜糸のためにもう一度クリニックに来なければなりません。費用は20万円です。

  3.二重の手術後の腫れについて教えてください。

 大体何日間、人前にでられないのでしょう?会社は何日間やすめば手術できますか?週刊誌の広告で、腫れない手術というのがありましたが、本当でしょうか?

  術後の腫れは、切開方と埋没法ではずいぶん違います。切開法では5日間は二重のラインに糸がついているので目をつぶれば目立ちますし、腫れも強いのでこの期間はまず会社には行けません。

 切開法の場合、最低一週間は休みが必要で、できれば10日〜14日休めれば良いと思います。本当にすべての腫れがおさまり最終的な結果が決まるには2ヶ月ほどかかりますが、大体10日〜2週間で素人目には落ち着くと考えて良いと思います。

 埋没法(切らない手術)の場合腫れはもっと少なく、3〜4日あれば人前にでられるケースが多いのですが、全く腫れない手術というのはありえません。ただし、腫れに対する反応は個人差が大きく、手術の次の日でも友達と遊んでいる人もたまにはいます。

 私は、すべての患者さんに、手術の翌日と翌々日が一番腫れるので少なくとも手術後2〜3日間は人前に出ないですむときに手術を予定したほうが良いと話しています。

  4.二重の手術をしたら失敗してしまいました。

修正する事はできますか?また、修正するとしたらどんな方法があるのでしょう?費用ははじめての手術より高いのでしょうか?

   どのような場合でもある程度の修正は可能です。

 最も修正しやすいのは、埋没法でサイズが思ったより小さいといった場合で、これは前の糸はそのままでもその上を止め直せば良く、逆に埋没法で大きすぎた場合でも前の糸を抜糸してより低い位置に止め直せばたいていの場合修正できます。

切開法の場合は傷がありますから、普通また別の場所を切って傷を2本にする事はしません。前と同じ傷を切開した上でその上や下の皮膚を切除しながら修正します。狭い二重を大きくするのは比較的簡単ですが、広すぎる二重を狭くするのは不可能ではないがかなり難しい手術になります。

費用は私のクリニックでは、他院の修正手術は、はじめての手術と変わりません。(もちろん私自身のやった手術の修正の場合はもっと安くなります。)

  5.目と目の間が離れているのが気になっています。

 目頭切開という手術について教えてください。傷は目立ちますか?変な顔になってしまうことはありませんか?

   東洋人には白人と違い目頭の部分にモーコヒダという皮膚の被りのある人が多く、これによって目と目の間が離れて見えたり、二重の形が白人のように平行型にならなかったりします。

 このヒダを切開して目頭を広くするのが目頭切開という手術ですが、この場合傷が二重のラインに隠れないので、1〜2ヶ月位傷の赤みが気になる可能性はあります。

 それはある程度お化粧で隠せると思いますが、むしろ私が患者さんに注意しておきたいのは、この手術は基本的に元に戻せない、つまり取り返しはつかないタイプの手術だということです。単純に目と目の間が離れているといってもそれが眼球自体が離れている場合とモーコヒダによって離れて見えている場合があり、前者では目頭切開はあまり有効でなく、後者では非常に有効だったりします。

 また、日本人女性の目と目の間の平均的距離は33〜35ミリぐらいですが、人によってはこれよりもっと狭いのにモーコヒダはしっかりある場合もあります。このような場合安易に目頭を切開すると不自然に目の間の狭い顔になってしまいます。

 いずれにしても、目頭切開は目の表情に大きな変化を及ぼす手術なので、よく医師と相談のうえで計画をたててください。費用は15万円です。

  6. 口元が出っ張っていてコンプレックスがあります。

写真にうつった顔を見ても口元が品がない感じがします。どのような手術で治せますか?

   元々、日本人は口元が出ている人が多く例えばEラインという鼻先とアゴの先端を結ぶ線より唇が前に出ているケースが多いのですが、これがそれほど強くなければアゴの先端にシリコンを入れることでかなり改善します。アゴを前に尖らせることによって相対的に口元がしまって見えるからです。

 この手術では、唇の裏を1〜1.5センチ切開するだけなので比較的簡単で腫れも4〜5日で目立たなくなります.顔の表面には傷がつきませんが2日ほど圧迫のためにテープ固定が必要です.費用は25万円です。

 もっと程度の強い場合は骨自体を動かす手術になります。ただ、申し訳ない事に現在の私のクリニックでは全身麻酔と入院の設備がないため骨切りの手術はできません。詳しいことをお聞きになりたければ来院下されば,手術のご説明と手術可能なクリニックのご紹介はできます。

  7.脂肪吸引について教えてください。

 簡単に思いどうりのスタイルになれるような広告も良くありますが、失敗はないのでしょうか。一回でどのくらい痩せられますか?あと、吸引しやすい場所しにくい場所とかありますか?

   まず、脂肪吸引という手術はそれほど夢のようなものではありません

 吸引したい場所の近くに2〜4ミリ程度の小さな穴をあけ、そこから金属の細い管を入れて吸引するのですが、表面の傷は小さくても吸引する範囲は広いわけですから、その範囲を全部麻酔をかけなければならない訳で、局所麻酔なら注射はたくさん必要であまり大きな範囲を一度には無理です。

 他には硬膜外麻酔(脊椎麻酔とは違う)といって背中から麻酔を注入して一定の範囲を麻酔する方法、全身麻酔などがあります。全身麻酔の場合は最低1泊は入院したほうが良いと思います。広告などで日帰り手術できるというのはそのほうが簡単そうに思えて患者さんが集まりやすいからで、医学的にはあまり感心できません。

 基本的に脂肪吸引という手術は、バランスの悪い部分を部分的に修正するためのもので、これによって何キロも痩せようというものではありません。よく「最近5キロぐらい太ってしまったので吸引してほしい」といって希望される方がいますが、そういうためのものではないと私は思います。

 また、脂肪層をある程度以上吸引すれば多少のトリムラが出るのは避けられず、若干の凹凸不正が出ることも考えられます。私は、あまり無理をせずに吸引したい部分を例えば太腿の外側、下腹部などに小分けして一つずつ局所麻酔で行なっていくほうが良いと思います。吸引後は最低1週間はガードルなどで患部をしっかり圧迫してもらいます。

 費用は、下腹部、わき腹、大腿部、臀部、ホホ、あごの下、上腕部等、それぞれ25〜30万円です。

  8.脂肪注入について聞きたいのですが。

 注入した脂肪は永久に保たれるのですか?吸収されてしまうという話も聞きましたが何回も繰り返し必要なのでしょうか?その場合の費用はどうなるのでしょう?

   脂肪注入は、他の色々な組織移植、例えば皮膚、筋肉、軟骨、などに比べて吸収量の多い手術です。もともと脂肪移植は吸収量の多い手術のうえ、1〜2ミリ程度の細い管で細かく吸引した脂肪を細い注射器で注入するので、通常の組織移植に比べて組織のダメージも多く吸収量も多いのだと思います。

 私の経験上で言いますと平均して顔のような血行の良い場所で3〜5割、胸や他の場所では6〜7割吸収されてしまいます。吸収されて分量が減って行くのがよく見られるのは手術後1〜3ヶ月頃で、6ヶ月以上経過してからは生着した脂肪はあまり減らないようです。ですから、脂肪注入の手術では半年後以降に再度注入する可能性があることを患者さんに説明しています。その場合の費用は私の所では初回の半分になります。

 初回の費用は上マブタ、下マブタで、20万円、コメカミ、ホホで30万円(両側)ぐらいです。

  9.ワキガで悩んでいます。

 色々な方法があると聞きましたが、どう違うのでしょう?再発する事はありませんか?広告などで翌日からシャワー可能とありますが本当でしょうか?

   ワキガ(腋臭症)の手術には大きく分けて二通りあります。せん除法といって大学病院の形成外科で一般的に行なわれてきた方法と、吸引法もしくはそれに超音波やアポクリン腺を削ぎ取るカッターを組み合わせたものです。

 どの方法も一長一短ですがワキガの手術の場合、とにかく匂いをできる限り取り去ることが主目的ですから、直接目で見ながらアポクリン腺を取り除くせん除法が一番確実とは思います。ただ、この場合最低4日程度の患部の圧迫固定が必要です。この手術の最も起こりやすいトラブルは出血による血腫(血が皮膚の下にたまること)であり、逆にこれが唯一のトラブルといっても良いくらいのものだからです。

 せん除法の場合ワキのしわに沿って3〜5cm程の一本の傷がつきますが時間と共に目立たなくなります。吸引法やそれに準じた方法では傷は1cm以下ですが片側につき2ヶ所つく場合が多いと思ってください。匂いの改善度は吸引法単独ではだいぶ落ちますが、超音波や他の方法を組み合わせた場合かなりせん除法に近い結果は得られます。

 ただし、どの方法を選んでもしっかり手術をすればする程きちんと圧迫固定しなければトラブルの元になります。通院不要とか翌日から普通の生活ができるという言い方はあまり正しいとは思いません。

 費用は両側で25万円です。

  10.良いクリニックの選び方について教えてください。

 美容外科専門医、形成外科認定医、美容医療協会会員などいろいろなクリニックの宣伝に書いてありますが、その意味と信頼性について知りたいのですが?

   まず、第一に言えることは、肩書きはあくまでも肩書きであり、それ以上でもそれ以下でもありません。手術がうまいかへたか、また、医師として良心的かどうか、とは直接的な関係はないと思います。ただ、美容外科、形成外科に携わる医師としてある程度のキャリアがある、全くの新米ではない、というぐらいの目安にはなると思います。

もう少し細かいことを言えば、形成外科とは先天性の奇形や、外傷、熱傷などにより、正常でない外貌をできるだけ正常に近ずけようとする外科であり、その解剖学的知識や外科的技術は美容外科手術を行う上で非常に役に立つものではあります。形成外科認定医とは形成外科医として5年以上の経験が在り、認定医試験に合格したものに与えられる資格です。

一方、美容外科専門医についてはもう少し複雑です。現在、我が国には二つの同名の美容外科学会があり、それぞれに専門医を認定しています。一つは大学病院の形成外科出身者が中心のもので、日本美容医療協会は、ほとんどこちらの学会員によって構成されています。もう一つは、開業医が中心となっている(我々は十仁系と呼んでいますが)学会です。雑誌などの広告掲載の多い全国チェーン展開しているクリニックはほとんどこちらの学会に所属しています。どちらが信頼できるかは一概には言えません。手術症例数、つまり患者さんの数で言えば圧倒的に後者の学会のほうが多いと思います。施設や入院設備なども充実している所も多くあります。ただ、医師の数も当然多いので、どの医師にあたるかによって色々な意味で差はあると思います。結論として、あまり参考にならないかもしれませんが、所詮、患者さんご自身が実際にカウンセリングにいってみて、信頼できるかどうか確認するしかない、というのが本当の所だと思います。

最後に、一応誤解のないように申しあげますが、私自身は形成外科出身であり、日本美容医療協会所属の美容外科専門医ということになります。

Q&A終わり トップページに戻る