20年近い間、途中で途切れた状態になっている神戸西バイパス(神戸市垂水区-明石市、12・5キロ)の未整備区間に有料道路事業が導入され、2018年度にも本格着工される見通しとなったことが19日、分かった。兵庫県と神戸、明石市が料金設定や事業枠組みなどの協議に乗り出す。全面開通へ向け17年度中に結論を出し、西日本高速道路会社(NEXCO西日本)による18年度着工を目指す。
同バイパスは第二神明道路に並走し、神戸市垂水区の垂水ジャンクション(JCT)と明石市の石ケ谷JCT(予定)を結ぶ。1991年に着工し、98年の明石海峡大橋開通に合わせて、垂水JCT-永井谷JCT(神戸市西区)の5・6キロが第二神明北線として利用開始された。
永井谷JCT以西(6・9キロ)の未整備区間については国が工事を続けるが、総事業費が膨大で、早期整備には有料道路事業の導入が不可欠。国土交通省はこのほど「神戸市以西の高速道路料金体系について、神戸西バイパスなど兵庫県内のネットワーク整備の観点も踏まえ、早急に見直しの成案を得る」との方針を示した。
神戸市によると、この方針は「同バイパスの整備に有料道路事業を導入するために料金体系を見直す」と解釈でき、方針の公表は「事実上のゴーサイン」という。国交省は「課題を明確化したのは事実だ」とする。
同市によると、神戸、明石市と県は17年度中にNEXCO西日本と協議を重ね、同社が国交省に申請する見通し。用地買収の約7割は完了し、神戸市の担当者は「本格着工すれば5~6年で完成する」とみる。(森本尚樹)