「英語初心者がたった3ヶ月でTOEICで800点取る方法 」という記事を、1390userがブックマーク(いいね!)している。のみならず「英語の勉強法」と目にすれば脊髄反射のように見境なくブックマーク(いいね!)する日本人は、アメリカという国についてどれぐらい知っているのだろうか。
それほど英語に関心の高い日本人は、英語圏の最大勢力である米国について、なに一つ発言できないでいる。政治については、詳しくないから? いや、よく知りもしないことを記事にするのがブログじゃないかな。
そこで僕は、あえてトランプ大統領について書こうとしている。ただし、その動機は、トレンドや検索流入というような、低俗なものではなく、あくまで、いち日本人としての感想である。
感情ファースト
政治家とはいったいなんだろう。リンカーンが役者だったことを考えれば、経営者が大統領になってもなんら不自然ではない。つまり、とても難しいことをしているようで、実はカンタンなんじゃないか。ひょっとしたら僕にも出来るくらいに。それはさておき、トランプが経営者として成功しているのは紛れもない事実で、それが彼を大統領にした一番の理由だろう。その視点からすると、僕にはトランプ大統領が、とてもよく人間を分かっていると思う。
彼の発言を聞いていると、過激と無茶と感情論で、ともすれば無茶苦茶に感じるが、その主張には、アメリカという多民族国家の抱える問題点を、ピンポイントに捉えているのではないだろうか。
テロが起こった。犯人は中東。もうアイツらは出入り禁止だ。笑うほどの短絡的思考だが、知的なポーズをとる、いわゆる政治家には、絶対に言えないセリフである。しかし三割くらいのアメリカ人は、本気でそう思っているのではないだろうか。
つまり、一人の人格の中でも葛藤があるように、人間とは、まず感情で動く動物なのだ。そこから理性を働かせて、最善と思われる判断を下だす。もちろん、感情優先な人々も、理性では分かっている。壁を作ったり、特定の国を出入り禁止したところで、解決しないことは知っているのだ。
しかし、そんな選択肢は初めから存在しないかのように振る舞うのはどうか。あまりにも理不尽な真似をしたら殴るぞ、という本気も持っていなければならない。家族を傷つけられたら撃つぞ、という具合にである。
国の経営
このように、トランプ流の無茶を実行する手法は、一部だけでも、理屈を越えて行動するアメリカ、というアピールに成功している。その一方で、 過激と無茶と感情論には、ひとつだけ大事な利点がある。それは、たとえ無茶苦茶な意見でも、反論するためには、キチンと説明しなければならないことだ。
官僚というか、役人は、ボトムアップされてくる意見については、適当にあしらって済ませる傾向にある。ところが、トップダウンされてくる意見については、どんなに面倒でも全力で応えなければならない。
つまり、トランプという経営者は、末端の不満をしっかりとキャッチアップし、それを管理職にぶつけることで、問題提起し、現場と経営の意識を常にすり合わせる、という手法をとっているのではないか。
現場と管理職の意識の違いが、ビジネスの方向性を見失わせるのはよくある話しで、それが例えアメリカという巨大な国であっても、その構図は変わらない。政治家、役人が管理職、一般市民が現場の従業員という具合にだ。
そもそも管理職とは、それに相応しい人物が選ばれているので、たいていは正しい。一見すると非効率に映ることも、やむを得ない事情があるものだ。
しかし、彼ら管理職は、説明する機会が与えられないと、往々にして、その説明責任を避ける傾向にある。誰しもそんな面倒な説明はしたくない。求められなければ、する必要はないと考えてしまう。
そこでトランプは、それを官僚にぶつけている。たとえ無理でも、それがなぜ無理なのかを詰め、最高の回答を得ようとしている。要するに、ちゃんと仕事させる、まともな経営者だと、僕は思う。
最後に
というワケで、僕はトランプ大統領を、わりと良いんじゃないかと思っている。個人的には、オバマが好きというか、もうずっとオバマでいいのにとか思うけど、そういう訳にもいかないんだろうね…。
政治も勉強したことない僕が、こんなこと書くのはおこがましい。そう思うよ。でも、ほとんどの国民は政治のことなんて知らない。
それでも、僕たちは、選ばなければいけないんだ。
じゃあ、またね。