個性派メンバーが集うバンもん！とは、一体何者なのか。
個別インタビューで各自の過去から未来までを語ってもらった。

（前回の記事：：「好きなように生きていいんだよ」って伝えたい｜鈴姫みさこインタビュー）

アイドルは「ひとにぎりの人しかなれないものだから」

──みゆちぃさんは熊本出身なんですよね？

はい。生まれは熊本で、記憶のない時期から中学校くらいまではお父さんの実家がある佐賀にいました。そこからお母さんと熊本の実家に行って、東京に出るまでずっと住んでました。

──ベースはいつからはじめたんですか？

高校3年ですね。友だちが軽音部を作りたいと言ってて、先生に頼み込んでようやく同好会という形でできたんですけど、ベースをやろうとしてた子がなかなか曲を弾けるようにならなくて。それで「ちょっとやってみてよ」って言われたんです。私も初心者だったから、先に弾けるようになったほうがライブに出ることになって、なんか勝っちゃって。そこからですね。

──ちなみになんの曲をやったんですか？

ロードオブメジャーの「心絵」か「僕らだけの歌」か、どっちかだったと思います。

──当時はどんな音楽を聞いてたんですか？

一番はUVERworldです。ギターの子もUVERworldが大好きで、ふたりで一生懸命講義して、そのバンドでUVERworldの曲をコピーさせてもらったこともありましたね。

──アイドルはいつから興味を持ったんですか？

小学生のときに後藤真希さんと出会ってから、ずっと興味はあって。ダンスのコピーとかも、そのころからやってましたね。でも、お母さんからは「ひとにぎりの人しかなれないものだから」みたいなことを言われてたんです。確かに、そのときはありえないくらい田舎っぺだったので、実際に進むのはあきらめてたというか、恥ずかしいことなのかなと思ってて。

──オーディションを受けたりは？

書類を送ろうとして、友だちと写真の撮り合いっこをしたんですけど、現像された写真を見て、これはムリなんじゃないかと自分でも思ってましたね。あと、雑誌のモデルに応募したことはあって。身長はあったので、それならもしかしてと思ったんですけど、まぁダメでした。

──アイドルになりたかったけど、妥協してモデルに？

とりあえず見られる側に立ちたかったんだと思うんです。小4か小5くらいから中学卒業まで、地域の団体がやってたミュージカルに出たりして、ステージ自体には立ってたんですよ。地区の子どもたちが集まって、セリフを覚えて、方言を使って、お祭りとかに出てたんです。お年寄りはよろこぶじゃないですか、小さい子が方言を使ってたら。そういう地域振興的なミュージカルをやってましたね。

NMB48の最終面接へ

──後藤真希さん以外に聞いていたアイドルは？

AKB48が出てきたときは、すぐ好きになりましたね。振りコピも速攻してたし。でも、そのミュージカルの衣装を決めましょうってなったときに、制服っぽいのがいいって言ったら、まわりからすごい冷やかされたんですよ。「萌え〜」とか言われて…すごい覚えてます。それでNMB48の立ち上げのときに、オーディションを受けたんです。

──AKB48じゃなく、NMB48を受けたんですか？

だんだん親も背中を押してくれる感じになって、いろんなオーディションに応募してたんですけど、家を出る覚悟はなくて、親も出す覚悟がなくて、福岡のキャンペーンモデルとかばかりだったんです。全部合格まではいかなかったですけど。NMB48のときは高校も卒業してたから、引っ越しもありうるぞと思いつつ、10代ギリギリだったし、ラストチャンスだと思って受けました。そしたら書類審査に受かって、新幹線で大阪に通って、受かって帰って来てを何回か繰り返して。

──でも最終的には残念ながら…。

ダメでしたね。しかも、みんなが最終だと思い込んでた審査が最終じゃなかったんですよ。ほかの48グループだったら、書類、面接、ダンス、歌で合格だったんですけど、「まだあります」みたいなことを言われて。そこから2週間くらい大阪のホテルに住んで、レッスンに通って、レコーディングしたり、キャッチコピーを考えたり、いろいろしたけど最後に落ちちゃいました。

──2週間住み込みしてまでの最終審査だったんですね。

そうなんですよね。ドキュメンタリーとかでよくある展開だなと思いました。実際ドキュメンタリーも放送されたんですけど、私も含めて年上組の3〜4人はすごい冷静になっちゃってて。泣いてる子を見て「そう！　ここは泣くとこ！」とか思ったり。自分でも純粋さが足りないなと思いました。レコーディングも歌割りが決められてたから、その段階で推されてる人がわかるんです。私はソロパートが1ヶ所くらいしかなかったから、この1行でがんばらなきゃと思ってやってましたね。なつかしいなぁ。

──ちなみにHKT48は受けてないんですか？

一応出したんですけど、ダメでしたね。受かった人たちを見たら、最年長でも17才とかで、あきらめがつきました。そういう時代なんだなって。東京に来てから、年齢を非公開にしてOKみたいな風潮をはじめて知りました。

──高校卒業後は、専門学校に行ったんですよね？

美容学校のブライダルコースで勉強してました。進路を決めるときに、一番資格を取れる学校を選んだんです。その学校のブライダルコースは、興味ある系の資格が全部取れるなと思って。そこでブライダルプランナーとか、着付けとかの資格は取りましたね。実は資格マニアなところがあって、その前も商業高校で簿記とか情報処理とかプログラミングとかを取ってて。履歴書に書ききれないくらい持ってるんです。

──「踊ってみた」をはじめたのは、いつだったんですか？

高校のときから見てはいて、振りコピもしてたけど、投稿はしてなくて。でもNMB48でちょっとメディアに出てしまったことで、応援してくれる人が増えてきたんです。名前は出てなかったから、そのときの私の受験番号でmixiにコミュニティが立ったりとか。これはなにかやらなきゃと思って、投稿するようになりました。気づいてくれと思ってたから、抵抗はあったけど顔も隠さないでやりましたね。それもあって、最初は48グループの曲ばっかり踊ってたんです。そのときのファンの方は、いまもバンもん！の現場に来てくれてます。

──踊ってみたではボカロ系の曲が多いですけど、もともと好きだったんですか？

好きでしたね、高校から聞いてて。踊ってみたも、アイドル系の曲はいろいろ引っかかって消されちゃったんですけど、ボカロ系は大丈夫だったんです。そういう事情もあったんですよね。

（望月みゆインタビュー後編「ステージは楽しいばかりの場所じゃない」に続く）

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[PROFILE]
バンドじゃないもん！
望月みゆ（もちづき・みゆ）
6月4日生まれ

公式サイト：https://banmon.jp
公式Twitter：https://twitter.com/myc416
　
◆メジャー再デビューシングル「キメマスター！／気持ちだけ参加します。」発売中
◆「バンドじゃないもん！全国ツアー2016 〜てっぺん目指そうぜ！武者修行編〜」開催中

撮影＝石垣星児
執筆＝タナカヒロシ