今回は「最短でTOEIC730点を取るためのシンプルな勉強方法」を紹介する。
まず初めに、今回の記事は、ただTOEICで730点を取ることだけを目的としていないことをお伝えしたい。今回の勉強法は「TOEICで730点という高スコアを取りながらも、同時に実践で使える英語能力も身につけてしまう勉強法」だ。よく、TOEICの点数は高いんだけど、実際に会話になると全くダメな人がいるが、それでははっきり言って勉強する意味がない。僕は無駄なことが大嫌いな性格なので、せっかくTOEICで高得点を狙う勉強をするなら、同時に実践的な英語力も身に付けたいと思って工夫を重ねた。その末に生まれたのが、今回の勉強法だ。
簡単に僕自身のTOEIC歴を話すと、僕が初めてTOEICを受けたときは400点台だった。海外で働きたい夢もその頃から持ち始めていたので、「これではマズイ」と思い、そこから自分なりに工夫をして勉強をした。その結果、それからわずか半年後にTOEIC730点を取ることができたのだ。その後は順調に点数を重ね、念願叶って海外で働く機会も得ることができた。海外で働いてからはTOEICは受けていないが、海外で働いていたときのベースとなったのは、間違いなく今回の勉強方法で培ったものである。
それでは本題に入っていく。
TOEIC730点は誰でも取れる
まず初めに伝えておくと、TOEIC730点は誰でも取ることができる。たとえあなたが完全初心者であっても大丈夫。さらに言えば、TOEIC730点までは比較的簡単にいくことができるので、2年も3年も努力を続ける必要もない。
ただし、がむしゃらに努力を続けて時間だけ費やしたとしても、半年間で730点に届くことはない。1日2時間の勉強を愚直に続けたとしても、そのやり方が間違っていたら、それがそのまま成果に反映しない世界が語学の世界だ。
裏を返せば、正しい努力を正しい期間継続して続けることで、たとえあなたが400点台であっても、かつての僕のようにわずか半年間でも730点は目指せるのが事実だ。
TOEIC730点を取ると得られる3つの大きなメリット
では、TOEICで730点を取ると、具体的にどのようなメリットがあるだろうか?メリットは次のようなものがある。
1. 就職、転職に有利になる
まず、TOEIC730点を取ると、就職、転職で有利になる。有利になるというのは、「可能性が広がる」といった方が正しいかもしれない。就職、転職サイトを見たことない人は見たらわかると思うが、特に最近の求人には英語力を応募条件に入れているところが以前と比べてかなり増えてきている。「応募資格:TOEIC730点以上」のような形だ。これは応募資格なので、そもそもTOEICの点数がそれに満たなかったら応募することすらできない。どんなにその企業が魅力的でも、TOEICのスコアが足りなければ、受ける資格すらあたえられないのだ。
また、応募資格まで至らなくても、歓迎条件としてTOEICの点数を挙げている企業も多い。歓迎条件というのはそれを満たす人を求めていますよという企業の意思表示なので、それを満たすことが選考に有利に働くことは言うまでもない。
2. キャリアの幅が広がる
TOEICで高い点数の実績を持っていると、「英語人材」として様々なチャンスに巡り合いやすい。例えば英語をあまり使わない会社であれば、英語を得意とする人は少ないだろう。それでも、今後グローバル化がさらに進行していく中、今まで多くの英語を使ってこなかった企業においても、英語を使う場面は必ず増えてくる。そうなった時、会社は英語人材をまず社内で探すだろう。そこで「TOEIC730点」という数字を持っていれば、そこで声がかかる可能性はグッと高くなる。英語人材として名乗りをあげることができれば、海外出張や時には海外駐在を経験することができ、キャリアの幅が大きく広がる。海外ビジネス経験者は市場価値も上がるので、その後人生で選べる選択肢が広がってくる。
3. 社内の昇進に役立つ
最近は社内の昇進条件にTOEICのスコアを設けているところも増えてきている。最たる例は楽天だろう。楽天は全社員に対し、階級ごとのTOEICのスコア基準を敷いている。役員クラスは800点以下だとクビになるほどだ。
ここまで極端ではないにしろ、こういう企業は今後も増えてくるし、それが急に施行される可能性も十分ある。
730点を目指しながら実践的実力をつけるなら「リスニング」に焦点を合わせよ
ここまでTOEICのスコアが高いメリットを挙げてきたが、事実、たとえTOEICの点数が高くても、全く会話が成り立たないような実践的英語力がない人材は、残念ながら無価値だ。巷に溢れてるTOEICの勉強方法はそういう人材を生みがちなので、TOEICの点数を高めながら、実践的英語力を身につける勉強方法をすることが必要だ。それを実現する一つの方法が、TOEICのリーディング、リスニングのパートの中でも、「リスニング」の得点を上げることに注力する方法だ。
リスニングの能力はそのまま実践的な英会話の力に直結する。自分の時間というリソースを集中投下するのなら、リスニングだ。事実、リスニングで満点取ればそれだけで495点、730点を目指すなら、リーディングは残り235点で足りてしまう。同じ730点であろうと、リスニング365点リーディング365点の人と、リスニング495点リーディング235点の人であれば、後者の方がネイティブと英語コミュニケーションが問題なくとれるものだ。なぜなら、会話には難しい文法や単語は必要ないからだ。
リーディングのスキルももちろん大切だ。だが、たとえリーディングで495点、リスニングで235点だとしても、実践的に使える英語力はないことが多いだろう。なぜなら「相手の言うことが聞き取れなければ会話は成り立たないから」だ。メールや文体だけのスキルが身につくことを理想とするならそれでも良いかもしれないが、それはまさに日本の英語教育の成れの果ての姿のようなものだ。読み書きは得意だが、聞く話すになるとてんでダメな日本人の成れの果ての姿だ。英語ができるようになりたいと思う人の大半が身につけたいスキルは、読み書きだろうか?それとも聞く話すだろうか?間違いなく後者だろう。
TOEICで730点を目指すなら、選択と集中をしよう。そして、注力するならリーディングではない。リスニングだ。一般的にリスニングの点数はリーディングより伸びやすいので、その点を考慮してもリスニングに特化して勉強する方法がベストと言える。
TOEICで730点を取る勉強方法 3ステップ
ここからは具体的に僕が実践したTOEIC学習方法を3ステップに分けて挙げていく。TOEIC730点までの道のりなので、やるべきことは決して多くない。そのかわりに、その方法を徹底的にやりこむことが必要となる。
1. TOEIC用単語帳とTEDを使ってディクテーションをひたすらやる
効率的に英単語を学び、かつリスニング力を圧倒的に鍛えるなら、TOEIC用の単語帳かTEDを使ってディクテーションをひたすらすることだ。ディクテーションとは、耳で聞いた英文を一言一句書き取っていく勉強法であり、英語のリスニング力を飛躍的に向上させる方法である。僕がTOEICで730点を取れたのも、このディクテーションをとにかく愚直に、ひたすら続けたからに他ならない。
効率的なディクテーションの方法
1. ディクテーションする題材を探す
まず、ディクテーションする題材を選ぼう。おすすめはTOEIC用の単語帳(10行程度の英文が載っていて、その中に重要単語が含まれている形式のもの)とTEDの教材だ。TOEIC用の単語帳は、TOEICで必須な英単語を覚えられる+リスニング力の向上というメリットがある。ある程度の長さを求めているのは、ディクテーションを通じてリスニング力も鍛えることを目的とするからだ。書店で手にとってみて、使いやすそうなものを選ぶと良い。
TEDは言わずもがな、様々な分野での良質な講演を題材にしているため、リスニング教材として申し分ない。使われている英語レベルも易しいものから難しいものまで存在するので、どのレベルの人にも共通しておすすめできる素晴らしい教材だ。
2. PCのWordを開いてディクテーション
題材を選んだら、早速ディクテーションをしていこう。紙で手書きでやるのも良いが、個人的にはWordやEvernoteでディクテーションをする方がやりやすいし、何よりスピードを落とさず書き取りができる。
ディクテーションの方法としては、まず一回は書き取り無しで、意味を理解するように聞いてみる。そして2回目から一言一句書き取っていく。ここで、ディクテーション1回目で全部書き取れるなんてことはまずない。2度でも3度でも、10度でも繰り返し聴き書き取る、この愚直な行動こそ、ディクテーションの真髄であり、リスニング力を短期的に飛躍的に高める道だ。
3. スクリプトと自分のディクテーションを照らし合わせる
もうこれ以上聞き取れないところまできたら、自分のディクテーションとスクリプトを照らし合わせよう。ここで、見知らぬ英単語や文法があったら調べると良い。ここまでディクテーションを繰り返していると、英文の内容はかなり頭に入っている状態だ。その状態で英単語や文法を学ぶと、ただ単語帳を眺めて暗記する方法とは定着率が異なってくる。
英単語を覚えるなら「記憶のメカニズム」を理解し、最適なタイミングで復習をすることがもっとも無駄ない勉強方法だ。【英語勉強法】ネイティブレベルの英語を最短かつ効率的に習得する方法をまとめたの記事で取り上げた「忘却曲線」を利用し、効率的に復習をしよう。
効果的な復習のタイミングに関しては、カナダを代表する大学であるウォータールー大学の研究結果から考えよう。研究結果によると、一定のタイミングで復習を挟むことにより、忘却曲線の動きに逆らい記憶は定着するようになる。
Curve of Forgetting | Counselling Services | University of Waterloo
縦軸が記憶の定着率、横線が日数である。そして黒線が忘却曲線であり、オレンジ線が復習を行った場合の記憶の忘却曲線となる。この図より、一定の期間に復習をすることで記憶が定着していることがわかるだろう。これを基に復習のタイミングを考えると次のようになる。
- 1日後 ⇨10分間復習
- 1週間後 ⇨5分間復習
- 1ヶ月後 ⇨2-4分間復習
英単語やフレーズを覚えたら、上記3ポイントで復習を挟もう。見て気づくと思うが、回数を重ねるほど復習に要する時間は減っていく。これが最も効率的な復習のタイミングである。
4. 最後にもう一度聴いてみる=聞き取れる!
一通り意味や単語を理解したら。最後にもう1回流して聞いてみよう。すると、最初は全然聞きとることができなかった英文が、すっと耳に入ってくるようになる。この感覚が「英文が聞き取れる感覚」で、ディクテーションはこの体験を何度も味あわせてくれる。これを繰り返していくと、どんどん英語は聞き取れるようになるのだ。
TOEIC730点を目指すのであれば、このディクテーションだけでもかなり勉強効果は高い。むしろディクテーションと少しのTOEIC特有の対策をするだけで、TOEIC730点というのはかなり現実的だ。それほどこのディクテーションの勉強効果は高いので、とにかくディクテーションの数をこなすことだ。
関連記事:『奥義』英語のリスニング力が効率的かつ確実に向上する勉強法
2. TOEIC公式参考書でTOEIC特有の対策をする
TOEICで730点を取るために必要な参考書は、TOEICテスト公式問題集だ。これを一冊しっかりやることで、TOEICテストの傾向や癖を学ぶことができる。TOEICで高得点を目指すなら、必ずやっておかなければいけない。むしろTOEICで730点を目標にするなら、これ一冊をやっておくだけで、TOEIC用の対策は他にやる必要はない。TOEIC用の対策はこの1冊でカバーし、TOEICスコアに直結するより汎用的なスキルは、もっと別の方法で磨こう。
3. オンライン英会話で実践的な英語力を養う
TOEICスコアを高めながら実践的英語力を身につけるなら、オンライン英会話は最良の選択肢である。このブログでも何度か紹介しているが、オンライン英会話は英語学習者にとって素晴らしいアウトプットの場となる。
オンライン英会話とは、PCのSkypeなどを使って受講できるオンライン型の英会話スクールのことだ。1回30分程度のレッスンで、話相手は外国人、会話を通じて英語を話す・聞くを繰り返すことで、TOEICに必要なリスニング力はもちろん、同時にスピーキング力もつけることができる。
オンライン英会話でおすすめはDMM英会話とオンライン英会話ネイティブキャンプ
の2つだ。どちらもレッスンの質や選べるコースの量、価格ともに申し分ないレベルであり、他の英会話スクールと比べて講師の質も良い。ちなみに下記はネイティブキャンプの概要である。
- 1回25分のレッスン
- レッスン受け放題
- 講師はフィリピン人
- FirefoxかChromeでレッスン(×Skype)
- スマホアプリでもレッスン可能(IOSのみ)
- 無料レッスンお試し期間が7日間ある
- 月額4,950円で24時間、回数無制限で使い放題(無料期間中もレッスン受け放題)
- 「今すぐレッスン」と「予約レッスン」の2種類の受講パターンがあり、受講スタイルが柔軟
- コース種類が充実していて、自分が身に付けたい分野の英語力を的確に伸ばすことができる
費用設定や仕組みはDMM英会話も似ているが、DMM英会話の場合、講師が白人も多い点が特徴だ。
また、DMM英会話とオンライン英会話ネイティブキャンプは無料体験がある点が素晴らしい。PCで数分程度設定するだけで、早ければ思い立ってから5分後には無料体験を受講できるので、まず試してみると良い。初めてで不安という人には、レッスンの流れを一通り記載したNativeCamp(ネイティブキャンプ)は最強のオンライン英会話だったの記事を読んでみてほしい。オンライン英会話の流れが一通りわかるように図解入りで解説しているため、不安も取り除かれるはずだ。
まとめ
以上がTOEICで730点を取るまでに僕がやった方法だ。 シンプルで、それでいて効果は抜群の方法である。効率的にTOEICで730点取り、かつ実践的な英語能力を身に付けたい人は、リスニングのスコアを上げることにリソースを集中させよう。それこそ「実践的英語力とTOEIC高得点の二兎を追う学習法」だ。
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