北朝鮮をテロ支援国家に再指定を 米の議会やメディア

北朝鮮をテロ支援国家に再指定を 米の議会やメディア
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アメリカでは、北朝鮮のミサイル発射やキム・ジョンナム(金正男)氏が殺害された事件を受けて、北朝鮮をテロ支援国家に再指定するよう求める声が議会やメディアから出ていて、トランプ政権の対応が注目されています。
アメリカ政府は、1988年に北朝鮮をテロ支援国家に指定しましたが、2008年に当時のブッシュ政権が北朝鮮の核開発計画の検証方法をめぐって北朝鮮と合意したのを受けて、指定を解除しました。

しかし議会下院では先月、一部の議員が「北朝鮮が当時の合意を守っていない」などとして北朝鮮をテロ支援国家に再指定するよう求める法案を提出したほか、議会上院でも議員6人が、今月12日に北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのを受けて再指定を検討するよう求める書簡をトランプ政権に送りました。

またアメリカの新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、キム・ジョンナム氏がマレーシアで殺害された事件を受けて北朝鮮をテロ支援国家に再指定すべきだという社説を掲載するなど、アメリカでは再指定を求める声が強まっています。

北朝鮮にはすでにさまざまな制裁が各国から科されていますが、テロ支援国家に指定されれば、「国際的なテロ行為を支援している国家」と認定されて、さらなる制裁が科される可能性が高まり、国際社会から一層孤立することになります。

アメリカ国務省の当局者はNHKの取材に対して「マレーシアでの捜査の行方を注視している」と述べる一方、「トランプ政権はまだ政権移行の段階で、再指定についての具体的な指示はない」と話しています。

前のオバマ政権は、2010年に韓国の哨戒艦沈没事件が起きたときや、2014年にソニーの子会社がサイバー攻撃を受けた際にも北朝鮮をテロ支援国家に再指定することを検討したものの結局見送っており、トランプ政権の対応が注目されています。