出典:inmylife
風が止むと書いて「凪」である。なんと見事な一字であろうか。
大物を狙わんと意気揚々と舟に乗り込んだ男。遥か沖までやってきたが、見事なまでに何も釣れない。風はまったく吹かず、辺りは完全なる静寂に包まれていた。
「今日はその時ではなかったのだ」。諦めた男はひとりつぶやいた。不思議なことにむしろ清々しい気持ちだった。船底に寝転び、雲一つない空を眺める。
やがて目を閉じ、これまでをひとり振り返った。
アンニュイな午後、ツイッターのタイムラインを眺めていると、リツイートされた一本の記事を目にした。「我がブログは全面的に池沼マスオ先生を応援するのであります - 働けおっさんブロガー」。マスオ先生(move-wife)とは、ワタクシとはてなブログの読者数を競い合っている天敵だ。これは無視する訳にはいかない。すぐさま記事に目を通す。
彼がマスオ氏を応援する理由は、ただひとつ。自分のブログに読者登録しているからだという。なるほど。
読者登録してほしいという二人がいる。どちらか一方の読者になれと言われれば、自分のブログの読者になっている方を選ぶだろう。よほど偏屈な人ではない限り、そういうものだ。
そういえば、今年に入ってからひとりも読書登録していない(と思う)。ブログ開設当初、同時期にブログをはじめた人を登録してそれっきりだ。読者登録していたブロガーが先日軒並み1周年を迎えたのを見て、それを実感した。
そういえば、マスオ氏もつぶやいていた。
やっとこ読者登録返し&フォロー完了しました。無言フォロー失礼しました。気軽に絡んでくださいませ。皆さま、よろしくお願いします。
— 池沼マスオ@読者募集中 (@move_wife) 2017年2月17日
これは、読者登録返し&フォローバックをやったほうが良いのではないだろうか。
はてなブログもまたソーシャルである。コミュニティである。もちろん、だれとも関わりを持たず、ひとりでこつこつ更新するのもいいだろう。ひととの繋がりは何かと気苦労が多い。
しかし、自身は読者登録もせず、人にだけ登録をお願いするとはなんたる傲慢、なんたる不遜であろうか。深く恥じ入るばかりである。気になるブログは、率先しどんどん読者登録するべきだったのだ。
D・カーネギー先生は著書「人を動かす」の中、「人に好かれる六原則:誠実な関心を寄せる」の章で次のように書いている。
「まずあなたが相手に関心を持たないとすれば、どうして、相手があなたに関心を持つ道理があろうか?」
単に人を感服させてその関心を呼ぼうとするだけでは、決して真の友を多くつくることはできない。真の友はそういうやり方ではつくれないのである。
「人を動かす」64ページより引用
はてなブログの読者数の増やし方について、カーネギー先生の書物に既に答えが記されていたのだ。
「先生!先生の書物に答えがありました!」
「アホ! そないなことどうでもええわ! 昨日はワイにえらい恥かかせてくれたな! なにが4コマや!なにが47本目や!」
「あれは、47本目の4コマ漫画作品と、47都道府県の県庁所在地クイズと、今回の読者数獲得の状況という3つのテーマを……」
「どアホ! おもろないんじゃ! スベってよってからに!」
「・・・」
「ワイの本ちゃんと読んどるんか?? ブックオフに売ろうとしとったやろ!」
「・・・」
「お前の読書は、眺めるだけで頭に入ってへんのやろ!百回読んで出直してこい!」
「もうしわけございません」
まとめ
男は、風の音で目を覚ました。
どれほどの間、眠っていたのであろうか。起き上がり、海面を見ると波が出ている。水辺線のはるか向こうでは、雲行きが怪しくなっている。
男はつぶやいた。「嵐がやってくるぞ」