名人戦挑戦が決まった稲葉陽八段=東京都渋谷区の将棋会館で2017年2月26日午前0時29分、小川昌宏撮影
佐藤天彦(あまひこ)名人(29)への挑戦者を決める第75期名人戦A級順位戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)の最終9回戦は25日、東京・将棋会館で全4局が一斉に指され、首位の稲葉陽(あきら)八段(28)が森内俊之九段(46)を千日手指し直しの末に破り、8勝1敗で初挑戦を決めた。前期の佐藤に続くA級1期目、20代の挑戦者誕生で、21期ぶりに名人戦で20代対決が実現する。日本将棋連盟関西本部所属棋士の名人挑戦は、第64期の谷川浩司九段以来11期ぶり。
8回戦で初黒星を喫した稲葉は、敗れるとプレーオフに持ち込まれる可能性もあったが、森内との接戦を制し挑戦を決めた。
名人戦七番勝負第1局は4月6、7日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で指される。【山村英樹】
A級順位戦の結果(左が勝ち)
屋敷九段(4勝5敗) 86手 羽生王位(6勝3敗)
渡辺竜王(6勝3敗) 105手 行方八段(4勝5敗)
佐藤康九段(3勝6敗)106手 広瀬八段(6勝3敗)
稲葉八段(8勝1敗) 103手 森内九段(3勝6敗)