インドネシア人の女「ベビーオイルのようなもの渡された」

インドネシア人の女「ベビーオイルのようなもの渡された」
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キム・ジョンナム(金正男)氏が猛毒のVXで殺害された事件で、実行犯として拘束されたインドネシア人の女が、男からいたずら番組に出演するよう頼まれ、ベビーオイルのようなものを渡されたとして、「こんなことになるとは思っていなかった」などと話していることがわかりました。
この事件でマレーシアの警察は、空港でジョンナム氏の顔に液体を塗りつけた実行犯として、インドネシア人のシティ・アイシャ容疑者とベトナム人の女を拘束し、調べを進めています。

このうち、シティ容疑者から事情を聴くため、クアラルンプールに駐在するインドネシア大使館の職員が25日午前、警察署を訪れ、事件後初めてシティ容疑者と面会しました。

大使館の職員が記者団に明らかにしたところによりますと、面会はおよそ30分間行われ、シティ容疑者は男から400リンギット(日本円で1万円余り)で、いたずら番組に出演するよう頼まれたと話しているということです。

そして「男からベビーオイルのようなものを渡された」ということで、「こんなことになるとは思っていなかった」と話しているということです。

また、この男は「ジェームス」や「シャン」と名乗ったということで、見た目や話し方から、日本人か北朝鮮の人だと思ったと説明したということです。

面会中のシティ容疑者は、質問の受け答えもはっきりし、体調に異変は見られなかったということです。

マレーシアの警察は、すでに出国した北朝鮮国籍の4人の容疑者が犯行を指示したと見て、シティ容疑者とどのように接触し犯行を実行させたのか捜査しています。

北朝鮮大使館 出入りの人たちは無言

事件を受けて、クアラルンプールにある北朝鮮大使館の前には、25日も朝から大勢の報道陣が集まっていますが、大使館側からの公式な発表などは、これまでのところありません。

北朝鮮大使館の前では、車の出入りがあるたびに、報道陣が詰め寄って取材に応じるよう繰り返し呼びかけましたが、誰も呼びかけには応じませんでした。

また、25日は休館日ですが、現地時間の午後3時ごろ、胸に赤いバッジをつけた人など、子どもを含む数人のグループ、合わせて20人余りが次々と大使館に歩いて入り、およそ1時半後に一斉に大使館から出てきましたが、報道陣の質問に対しては終始無言でした。