留学大図鑑

Yuka

出身・在学高校:
千葉県立船橋高校
出身・在学校:
東京工業大学大学院
出身・在学学部学科:
物質理工学院
在籍企業・組織:
材料系、材料コース

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フィンランドの魅力はたくさん語れます。北欧に興味があればぜひご相談ください。 その他留学に関する質問は何でも受け付けます。 お気軽にご相談ください。

派遣交換留学とインターンシップ

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)・工学(機械・航空・宇宙・海洋・物質・材料・化学・医療・情報・画像・電気電子)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • エネルギー工学
  • イギリス・フィンランド
  • エスポー
留学期間:
4か月半
総費用:
1,200,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」 860,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<英検準一級、TOEIC 895> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

イギリスは科学の歴史が深く、科学をいかに社会に浸透させるかという事に非常に力を注いでいる国です。様々な科学機関を訪れ、どのように国民の生活に科学を浸透させる取り組みを行っているのか学びに行きました。また、イギリスの博物館は無料で、多くの家族連れが博物館を訪れています。特に科学技術博物館では、いかに科学技術を一般の人に分かり易く伝えるかというのをとても意識されていて、説明員の方とお客さんのコミュニケーションや展示の工夫、イベントが盛んでした。その中で、専門的な知識をいかに一般の人に分かり易く伝えるか学びました。 アールト大学では再生可能エネルギー、製品の持続可能性、製品開発、英語などの授業を受講しました。再生可能エネルギーの授業ではそれぞれの再生可能エネルギーについて、現状と将来を経済面も含めてとても幅広く学ぶことができました。製品開発の授業では企業の方とグループを組んで、グループあたり100万円の予算をもらって製品開発に取り組みました。どの授業も大量の課題が課され、非常に大変でしたが、教育で一番というだけあって、先生方の授業に対する熱意も高く、身になる授業ばかりでした。

留学の動機

私は環境、エネルギー問題に貢献したいという想いがあり、環境やエネルギーをアジアの学生とディスカッションするプログラムに何度も参加しましたが、周りの学生のディスカッション能力や、リーダーシップ力に何度も圧倒されました。留学することで自分の考えや専門的な知識ををもっと分かり易く魅力的に伝えられるようになりたい、技術の進んでいるヨーロッパでの環境、エネルギーを学びたいと思いました。

成果

イギリスでは非常に多くの機関が科学の社会浸透のために尽力しているという事を学びました。分かり易く伝えるためには、文章の構成や、何を伝えたいかをはっきりさせることが大事だという事を学びました。再生可能エネルギーについては現状を含めて幅広く学ぶことができ非常にためになりました。多くのグループワークを経験する中で、徐々に自分の意見も言えるようになり、グループの中でも自分に対する信頼が高まっていきました。

ついた力

グループワーク力

製品開発の授業はグループワーク力向上に最適でした。最初は、自分の意見が言いたくても、周りの激しい議論についていけず、何も発言できませんでした。企業の方にもなんで発言しないのと言われて悔しい思いをしました。しかし、必死にみんなの会話を理解する努力を続けているうちに内容が分かるようになり、自分の意見も発言できるようになりました。企業の人にも良く発言できるようになったねと褒められ、とても嬉しかったです。

今後の展望

再生可能エネルギーの授業の中で、再生可能エネルギーの割合を増やすために一番重要なのは技術の進展ではなく、法や政策の改正であることを学びました。自分が留学で学んだことを一番生かせるのは経済産業省かと思っていますが、現在検討中です。海外でのニーズを調査し、海外に事業を提供する仕事にも興味があります。身に付けたグループワーク力を生かして、企画の提案や交渉ができたらいいなと思います。

留学スケジュール

2016年
8月〜
2016年
8月

イギリス(ロンドン)

日々、異なる科学博物館を訪れ、どのように社会に科学を浸透させているのかを学びました。ある時は、国会に関連する機関に訪れ、科学の現状や科学的知識を、どのように国会議員に伝えているのかなど学びました。様々な博物館にも訪れ、博物館ごとの比較や、日本の博物館との比較を行いました。科学技術博物館では、あるテーマが与えられ、そのテーマの展示を行うとしたら、どのような展示を行えばよいかを考えるワークショップにも参加させて頂きました。更に、博物館ではどのような展示の工夫をしているのか、どのように幅広い年齢層の方に楽しめるようにしているのか、どのようなイベントを開催しているのか、博物館の方にお話を伺いながら見学しました。科学博物館のイベントの一つである、大人限定のナイトミュージアムにも参加し、普段と違った博物館の雰囲気も学んできました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

100,000 円

生活費:月額

150,000 円

項目:飛行機

80,000 円

科学博物館。ビジュアル的インパクトが大きい。
Royal Society にて

2016年
9月〜
2016年
12月

フィンランド(エスポー)

エネルギー、製品開発、製品の持続可能性、英語などの授業を受講。エネルギーの授業では、再生可能エネルギーの講義を受け、更にその分野のレビュー論文を読む課題が毎回出されました。試験でも、すべての論文の内容を理解し、英語で説明できるようにしなくてはならず、かなり勉強になりました。論文を沢山読んだことで読解力も上がりました。製品開発の授業では、グループ決めから始まり、一緒に開発する企業を決め、最終的に読者のリーディングのモチベーションを上げる製品の開発に取り組みました。製品の持続可能性を議論する授業において、私たちの班ではバッグを担当しました。バッグをすべて破壊して、使われている物質と量を調査し、一つのバックを作るのにどれだけCO2の排出や水の使用があったかを計算しました。そのデータをもとに、環境にやさしい新しいバックを考案し、プレゼン、インタビューを行い最終的にマーケティングも行いました。

費用詳細

学費:納入総額

10,000 円

住居費:月額

40,000 円

生活費:月額

120,000 円

項目:航空券片道

70,000 円

製品開発の授業の様子
バック解体の様子
アールト大学

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

学校の周りの景色
スイスにて

私の住んでいた町はとても田舎で、周りは森と海だけ。空港から寮へ行くためには電車とバスを乗り継がなくてはいけませんでした。スイスからの帰り道、飛行機も時刻通りに到着し、終電よりも2本前の電車に乗ることができました。無事にバス停について30分後に来るバスを待っていると、バス停の中に電子掲示板を発見して愕然。なんと、次のバスは4:55でした。googleには提示されているバスが、実際には存在していませんでした。終バスを逃してしまったのです。そのバス停は人気も車もない森の中で、外の気温は氷点下。荷物も重い。タクシーでも呼ぼうかと思いましたが電話も掛けられないことに気が付きました。どうしようと悩んでいると、突然、前に一台の車が。気が付くと私は車に向かって手を振っていました。車は止まってくれました。お金を払うので、寮まで載せてもらえないか頼みました。私にとって人生初のヒッチハイクの挑戦でした。しかし、私の住む街を伝えると、方向が逆という事で断られました。それでも、車なら20分で着くという事を伝えてお願いしてみました。すると、今日はタリンからの帰り道で、船の中でも寝たから寝るのが少し遅くなってもいいと言って下さり、受け入れてくれました。途中、警察に目をつけられて車を停められるという事件もありましたが、おじさんは笑顔で、お金もいらないと言って、寮まで送ってくれました。おじさんに本当に感謝です。

ココでしか得られなかった、貴重な学び

プレゼンのスライド

軽い気持ちで受講したはずの英語の授業が、とても役に立ちました。この英語の授業では、まず、論文の書き方を学びました。論文のような正式な文章において用いて良い表現、避けるべき表現、そしてどうやったら分かり易い文章が書けるのか非常に丁寧に教わり、オンラインも用いて沢山演習させられました。日本では論文の書き方など、教わったことなかったので非常に貴重な学習でした。この演習後、実際に論文を書いて提出しましたが、提出してお終いではありません。提出した論文について、悪いところがないかグループを組んでお互いにアドバイスし合い、そのアドバイスをもとに全員論文を書き直しました。書き直した論文は、先生がチェックし、一人一人面談を行って下さいました。そして再び書き直し、提出しました。この先生の熱意に驚きました。みんなから、先生からの添削によって、学ぶことが沢山ありました。プレゼンの練習においても、クラスメート、先生から評価をもらい、更に動画によるセルフチェックによってプレゼンを磨いていきました。自分の専門を、違う専攻の皆に分かるように説明しなくてはならなかったのですが、フィードバックを通してどこまで理解してもらえて、どの部分が難しいのかなど知ることができ、プレゼン力に加えてスライド構成力を磨くことができました。留学テーマの一つである、科学技術を一般の人にも分かり易く伝える力をつけるのに最適な機会でした。

留学中にやってしまった、私の失敗談

タンペレでの写真①
タンペレでの写真②
タンペレでの写真③

フィンランドのタンペレという町に友達と遊びに行きました。タンペレはその日―6度で雪も積もっていました。帰りは、バスの出発する30分ほど前にバス停につきました。しかし、バス停をよく確認すると、行きとバス停が異なることに気が付きました。そしてバス停の地域まで徒歩30分かかることが発覚。正確なバス停の場所は分からぬまま、慌ててバス停の方向に向かって走りました。しかし、到着してもバス停はどこにも見当たりませんでした。何とか、友達がネットで正確なバス停の場所を見つけ出してくれましたが、バス停までは更に徒歩15分かかることが発覚しました。残り時間8分。私はもうバスに乗るのは無理だと思いましたが、友達たちは勢いよくバス停の方向に走り出しました。私は手足が凍り付いていたため、みんなに追いつくことができませんでした。すると優しい友達が、私の荷物を全て持ってくれました。しかし、それでも友達に追いつくことができませんでした。気が付くと私は友達の姿を見失っていました。そして携帯もお財布も友達に預けてしまったことに気が付きました。バス停の方向も分からない、友達にも連絡できない、お金がないので帰る手段もないという状況に陥っていました。すさまじい絶望感に襲われました。幸い、私の勘で進んだ道が正しく、友達が私を見つけ出してくれて、バスにも間に合いましたが、私の勘が外れていれば大変なことになっていました。

留学前にも英語力の向上を

  • 語学力 : 英語

留学すれば英語力は上がりますが、留学する前にどれだけ英語力を持っているかは非常に大きいと思いました。私は留学期間が短かったこともあり、スピーキング力を上げるために留学前からよく留学生と交流していました。日常会話レベルの英語は話せたので、他の国からきている学生ともどんどん仲良くなれ、授業にもついていく事が出来、学ぶことが沢山ありましたが、英語力に乏しいと、周りの人の中に入るのは難しく、理解ができない分、授業などを受講しても得られることが少ないように感じました。実際、4か月の留学を通して、多くの課題をこなしたため、リーディング力、ライティング力、リスニング力は高まりましたが、それらに比べてスピーキング力はあまり上がらなかった感じがしました。グループワークにおいて、周りの意見を理解できず、自分の意見が言えないことがありましたが、もっとリスニング力が高ければ、発言のチャンスが増え、スピーキング力もあがったなと思いました。

休学、留年なしでも派遣交換留学は可能

  • 単位・留年 : 休学・留年

私は浪人して大学に入り、更に院まで通っていたため、これ以上卒業を遅らせられない状況でした。就職活動で不利になるという事から、卒業を遅らせる事だけは親から反対されていました。更に、就活の時期に留学を被らせたくないと考えていました。M1になったら絶対に留学したいと考えていましたが、就職のことを踏まえると、3か月くらいの研究のための留学が精一杯だろうと考えていました。しかし、留学フェスタにおいて、4か月の派遣交換留学が存在するのを見つけました。それがフィンランドでした。他の国の多くは9月、10月ごろから始まり、半年の留学でも終わるのは2月から3月です。一方でフィンランドでは前期が9月から12月、後期が1月から4月という事で、9月から4か月の派遣交換留学を行っても12月の終わりには帰国できます。これなら就活にも影響がないと思い、突如フィンランドへの留学を考え始めました。実際、フィンランドで学んだことはたくさんあり、ただ研究をしに行く留学よりも、とっても充実した留学になったと思います。帰国後も、就活前にインターンに参加する機会もでき、進めなくてはいけない実験の時間も確保できました。派遣交換留学はおすすめです。卒業を遅らせたくないという方も、フィンランドでしたら4か月の留学が可能なので、是非検討してみてください。他の国での留学とも組み合わせやすいと思います。

留学前にやっておけばよかったこと

留学前、もっとリスニング力を高めておけば、もっと得られたことも多かったのではないかと思います、リスニング力不足のために周りの会話についていけなかったことや、授業が理解できないことが多々ありました。

留学を勧める・勧めない理由

留学はおすすめです。海と森に囲まれた大自然での初めての一人暮らし。日本と全く違う環境で暮らしました。日本では絶対できない経験がたくさんできました。そして新たな出会いが沢山ありました。色んな人から刺激を受け、新しい価値観を沢山得ました。多くの場所を訪れるチャンスがあり、様々な文化を学びました。ハプニングも沢山ありましたが、精神的に強くなりました。自分の将来を考える良いきっかけにもなりました。

これから留学へ行く人へのメッセージ

どんな意識をもって留学するかによって、得られることは大きく違ってくると思います。留学生活中に、どんなことを経験したいのか、どんな能力を身に付けたいのか、予め思い描いておくことで、留学がより充実すると思います。留学に伴い色々不安があるかもしれませんが、辛いことはあっても絶対に楽しくていい思い出になるはずです。留学思いっきり楽しんでください。