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虚業教団
〈幸福の科学〉で学んだものは何だったのか

谷 晧元

現代書林

第2章 「神」は結婚を命じ給うのか?

天上界が計画した? 二つの結婚

 宗教団体という特殊な世界にいると、正常な判断力が麻痺する。神との仲介者である教祖が、信者の心をいとも簡単に支配してしまう。そんな状態を「マインド・コントロール」と、彼女は呼んだのだろう。

 しかし支配される心は、支配されることを望んでいるのである。自分のすべてを理解し、行くべき道を指し示してくれる存在を心の底で求めている。中原や私にも、その思いがなかったとは言えない。

「お互いの仲人をやりませんか。それで、どちらも貸し借りなしのオアイコということにしましょう」

 私の都合などまるで無視して、嬉しそうに大川が言った。
 しかし、私にはまだ妻がいる。離婚は話し合いがついていたが、高校生の娘が大学受験を終えるまでは、籍だけでもこのままにしておこうという話になっていた。いまではそれが、身勝手な父親である私が娘にしてやれるたった一つのことだった。
 このことを話すと、大川は驚いた顔をした。

「エッ、まだ籍が抜けてなかったんですか。それは知らなかった」

いつも、私たちのすべてを見通しているようなことを言っている大川が、こんな重大なことを見落としていたとは。

「あと二カ月で娘の入試が終わります。それまで、このままではいけませんか」
「いや。私のことも、もう発表してしまわなければならないし、それは困るよ。何とかなるでしょう、関谷さん」

 いまや、大川と私は師弟の関係にある。まして、その師は天上の世界から直接指導されているのだ。人間の浅知恵では計り知れない大計画が、こうして一歩ずつ実現されようとしているのかもしれない、と私は考えた。私もまた、「マインド・コントロール」によって正常な判断力を失っていたのである。

 その場は、「すぐにでも妻と話し合ってみます」ということでお開きになった。
 家に帰っても心が落ちつかなかった。独り暮らしのマンションで、何時間も自問自答を繰り返した。
 まず、大川主宰がご自分の結婚の話題を半減させたいという、その心理はいったい何だ
ろうと考えた。

″そういえば、若い女性とのデートすら、先生は一度も経験したことがないと聞いたことがある。そんなことからくる、先生特有のテレなのだろうか″

″それにしても、私と妻との現状を、まったく霊視できなかったのだろうか。この結婿は、中原と私の一生を左右する重大事である。すべてを見通したうえでのお話しではなかったのか″

″もしかしたら大川先生は、じつは異次元など何も見えない、頭のいいだけの人間なのだ
ろうか。自分の都合だけを優先させ、他を思いやる愛のない人なのだろうか″

 そうした考えに行き着くたびに、私は何度も首を振った。

″いや、いや。そんなことは絶対にない″
 この夜、私の頭は混乱し、ハッキリした結論はついに見出せなかった。




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2009 The realities of Kofuku no kagaku was oppened.