世界的人気作家、村上春樹さんの長編小説「騎士団長殺し」(全2巻、各巻1944円)が24日、発売される。大阪・道頓堀の書店「TSUTAYA EBISUBASHI」では23日夜、新刊をいち早く手にしようという熱心な「ハルキスト」たちが午前0時の販売開始を待った。
同店では、23日朝から店頭にカウントダウンパネルを掲げて発売をアピール。午後10時前には店員が表通りに面した平台に本を平積みし、布をかぶせて表紙を隠し発売に備えた。各巻300部を用意し、24、25両日での完売を予定しているという。店長の黒木彰浩(あきひろ)さん(33)は「問い合わせの数が多く、ファンの期待の大きさを感じる。私も手に取って、ハルキストになります」と声を弾ませた。
村上さんの長編は「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」以来4年ぶりで、複数巻にわたる長編小説は2009~10年の「1Q84」(BOOK1~3)以来となる。久々の新作だけに注目度は高く、版元の新潮社は発売前に重版して「第1部 顕(あらわ)れるイデア編」を70万部、「第2部 遷(うつ)ろうメタファー編」を60万部の計130万部を用意する。【大森治幸】