去年の6月に亡くなった父の夢を、今まで一度も見たことがありませんでした。
夫や娘は見るのに、実の娘の私が一度も見ないなんて不思議なことだと思っていましたが、ついに父が夢に出てきました。
場所はお化け屋敷を併設した居酒屋。
これが大変な人気で、お化け屋敷をキャーキャー言いながら通りすぎると、素晴らしく美味しいお料理とお酒が評判のダイニングスペースにたどり着ける、というシステムのようでした。
長いこと待って、やっと私たち家族の名前が呼ばれ、ワクワクドキドキしながら長い廊下を進みました。
気がつくと私の後ろを、にこにこしながら父も歩いていました。
何も言わないけれど、「そうだ、お父さんもここに来てみたかったんだったね」とわかりました。
「あの世から本物が来てるんだから、お化けなんて怖くないね」とみんなで言い合って笑い、父もそうだ、という風に笑ってうなずいていました。
そうやって進むうちになぜか温泉が現れ、ここが勝負だな、と一同に緊張が走りました。
男湯と女湯に別れて二つの入り口がありました。
「じゃあ、出口で合流しようね」
「じゃあね」
というところで、目が覚めました。
なんだかよくわかりませんが、父が元気で楽しそうで嬉しくなりました。
実家のお隣の飼い猫「しろちゃん」
アメリカンショートヘアー4才、男の子です。
時々遊びに来るしろちゃんを、父はとても可愛がっていました。
そのしろちゃんも、まるで父の後を追うように、病気で死んでしまいました。
今頃は二人でゆっくりしているのかも。
にこにこしている夢の中の父を思い出しながら、そんなことを考えました。