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情報戦の裏側

清水富美加が芸能界総スカンでも世論を味方にできた理由

窪田順生 [ノンフィクションライター]
【第12回】 2017年2月23日
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清水富美加さんの出家騒動と、幸福の科学側の主張が連日、芸能マスコミを騒がせている。芸能界からのコメントは批判的なものが多いが、これを情報戦として見ると、芸能界のブラックぶりを主張する幸福の科学の戦略は、かなりいい線を行っていると言える。(ノンフィクションライター・窪田順生)

批判コメント続出だが
善戦している清水サイド

 これはもしかしたら日本の芸能ビジネスの構造を変える「奴隷解放運動」につながるかもしれない――。

独立する俳優やタレントは干されるなど、芸能界のブラックぶりは相当なもの。今回、幸福の科学は、芸能界がひた隠しにしてきた横暴なカルチャーを糾弾する作戦に出ている Photo:MANTAN/AFLO

 連日のようにワイドショーを賑わす女優・清水富美加さんの「出家騒動」。コメンテーターや芸能人たちの過半数は、「宗教家になって人を救うっていうけど、撮り直しとかでみんなが不幸になっているだろ」などと、清水さんに批判的なのはご存じのとおりだ。

 当初は「まだ若いから精神的に追いつめられちゃったのかな」なんて心中を察していた人々もいたが、清水さん本人がSNSで「ぜんぶ、言っちゃうね」(幸福の科学出版)という暴露本の告知をしたあたりから、「恩を仇で返すやり方は人としてどうなの」という厳しい声が上がってきた。また、ネット上でも「最初は同情してたけど、炎上商法だったのか」と批判的にとらえる人も増えてきている。

 このように賛否両論でいえば、明らかに「否」が多くなってきている清水さんと「幸福の科学」のやり方だが、「情報戦」という観点でいえば、決して「悪手」ではない。むしろ、かなり善戦をしているくらいだ。

 独立を目論んだ元SMAPの4人が見せしめのように「公開謝罪」させられたことや、朝ドラ女優の能年玲奈さんが、ぱたりとテレビから消えたことからもわかるように、「独立騒動」は9割方、タレント側が痛い目に遭って終わる。

 いや、大御所タレントだと、個人事務所でやっている人もちょいちょいいるじゃないか、と思うかもしれないが、ほとんどは「独立」をうたいつつも、実態は別の大手事務所の庇護下へ移っただけであったり、多額の「手切れ金」を事務所側に支払っても一定期間は干されたりと「重い代償」を支払わなくてはいけない。

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窪田順生 [ノンフィクションライター]

くぼた・まさき/テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


情報戦の裏側

できれば起きてほしくない「不祥事」だが、起きてしまった後でも正しい広報戦略さえ取れば、傷を最小限に済ませることができる。企業不祥事はもちろん、政治家の選挙戦略、芸能人の不倫ネタまで、あらゆる事象の背後にある「情報戦」を読み解く。

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