ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
高橋洋一の俗論を撃つ!

日本の財政再建は「統合政府」で見ればもう達成されている

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第164回】 2017年2月23日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 2月21日、平成29年度予算案についての衆議院予算委員会公聴会に公述人として出席し、財政再建で意見陳述を行った。その時のメモをもとに財政再建の問題を改めて、本コラムで書こう。

財政再建で考えるべき
3つのポイント

 大事なことは、以下の3つのことだ。

 第一に、最近のマクロ経済学からみて、財政事情は統合政府(政府と中央銀行を会計的に一体と見て考える)で見るべきであること
 第二に、教育支出は未来投資として行うべきこと
 第三に、予算の無駄使い批判に対して、天下り根絶を行うこと

 である。

 財政政策と金融政策に関する3つのモデルを整理してみると、いわゆる伝統的な財政と金融政策の分離モデル、いま話題のシムズ・プリンストンン大学教授の「財政の物価理論」(FTPL)のモデルと、「統合政府」のモデルがある。

 伝統的な財政と金融の分離モデルは、財政は、政府のバランスシート(BS)の右側(負債)だけのグロス債務またはグロス債務残高対GDP比に着目して、増税や歳出カットによって財政再建をしようというものだ。この場合、金融政策は、物価と失業の逆相関関係をいうフィリップス曲線を前提とすれば、物価水準を見つつ、金融緩和をしたり引き締めたりしながら完全雇用を達成する、財政政策と金融政策がそれぞれ独立して考えられているモデルだ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


高橋洋一の俗論を撃つ!

元財務官僚の経済学者・高橋洋一が、世にはびこるもっともらしい「俗論」の過ちをズバリ解説。

「高橋洋一の俗論を撃つ!」

⇒バックナンバー一覧