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2018(平成30)年度前期 連続テレビ小説「半分、青い。」制作のお知らせ

連続テレビ小説
半分、青い。

作/北川悦吏子
(オリジナル作品)

失敗って、楽しい。
今日とは違う明日が、きっと見つかるから―

私たちの社会は、いつから失敗を恐れ、許さないようになってしまったのでしょう。そんな社会は窮屈です。
連続テレビ小説第98作「半分、青い。」は、脚本家・北川悦吏子さんのオリジナル作品。
故郷である岐阜県と東京を舞台に、ちょっとうかつだけれど失敗を恐れないヒロインが、高度成長期の終りから現代までを七転び八起きで駆け抜け、やがて一大発明をなしとげるまで、およそ半世紀の物語を紡ぎだしていきます。
何かを半分失っても、他のやり方で前に進めばいい。
あぶなっかしくもバイタリティーあふれるヒロインの冒険が、2018年の朝を明るくします。

【物語】

大阪万博の翌年、1971(昭和46)年。岐阜県東濃地方のとある町の小さな食堂に、鈴愛(すずめ)という女の子が生まれた。毎日野山を駆け回る元気な子だったが、小学生の時、病気で片耳を失聴してしまう。そんな彼女を励ましたのは、わが子を愛してやまない両親と、同じ日に同じ病院で生まれた幼なじみだった。
高校卒業後、彼女は持ち前のユニークな発想力を生かして少女漫画家を目指し、バブル真っただ中の東京に出る。師匠にしごかれアシスタント仲間と切磋琢磨(せっさたくま) して修業に打ち込むが、やがて挫折。結婚して一人娘を授かるものの、家計は火の車。ついには夢追い人の夫から離婚されてしまう。バブルはいつの間にか終わり、世は低成長時代。度重なる失敗の末、シングルマザーとなって故郷に戻った鈴愛は、そこで思わぬ転機を迎えることになる……。


半分の青空 ~昭和から平成、七転び八起きのヒロイン

ヒロイン・鈴愛は高度成長期の終わりに、岐阜県東濃地方に生まれました。子どもの頃、病気で左耳を失聴しますが、それを乗り越えた経験が彼女を強くします。雨が降っても、片耳しか雨音が聞こえない。でもその雨が上がるとき、空が半分、晴れる。半分だけの青空って、ちょっと面白いんじゃない?―― そんな風に思えるようになった彼女は、漫画家になるという大志を抱いてバブル期に上京。しかし、夢は瞬く間に破れ、結婚して娘を授かるも離婚され、シングルマザーとなって故郷に戻ります。失敗だらけの人生ですが、ヒロインはそのたび「やってまった」(=「やってしまった」)と明るく呟きながら、生き抜いていきます。

失敗は半分“成功” ~現代のモノづくり「ひとりメーカー」

失敗を繰り返し、先の見えない人生を送るヒロインがやがてたどりつくのは、失敗こそが新しい発明の母となるモノづくりの世界。3Dプリンタなどデジタル技術の進歩により、今や個人でも「ひとりメーカー」として自由に試作と改良を重ね、大手には作れない製品の開発ができるようになりました。たくさん作ってたくさん売るだけではなく、誰でも自由にモノづくりができる時代が到来したのです。ヒロインもまた、病身の母のためにそよ風のような扇風機を作り、全くの素人でありながら、家電業界に「新風」を巻き起こしていきます。

もう半分の自分 ~約半世紀ごしの恋

ヒロインは、大胆なひらめきとアイデアの持ち主。一方、同じ日に生まれた幼なじみは、真面目で理論派の技術者ですが、社交性に難ありの男性。二人は言わば、互いの半身でした。それぞれ一度は別の人と結婚するものの、約半世紀に渡ってつかず離れずの微妙な距離で互いを見守り続け、やがて扇風機作りをきっかけに「ふたりメーカー」――公私共にパートナーとなっていきます。


【脚本家のことば  ・・・ 北川悦吏子】

「半分、青い。」という、ちょっと不思議なタイトルの朝ドラを書くことになりました。ちょっとした人生のアクシデントで、片耳失聴したヒロイン、スズメの物語です。ま、生きてれば、それくらいのことは、ありますよね。仕方ない。いいことばかりじゃない。
左耳の聞こえないヒロインは、傘を差しても、左だけ雨が降ってないみたい、と面白がります。ちょっと変わった子なのです。そして、雨上がりの青空を見て、「半分、青い。」と言います。
彼女が、どんな人生を歩み、どんな幸せをつかむのか?私にも、まだわかりません。まだ、9歳だからです。今、私が書いているところは、スズメ、9 歳の頃です。1971年に生まれたヒロイン、の50年にも渡ろうか、という物語です。自分の人生をもう一度生き直すようなつもりで、書いています。もしくは、もう一回、娘を生んだようなつもりで、ヒロイン、スズメを書きながら、精一杯の愛を持って育てています。
私は、でも、1971年生まれではなく、1961年生まれ。10年、サバ読みました(笑)。1961年生まれ、実は、朝ドラと同い年です。私たち、やっとめぐり逢えました。
テレビドラマの仕事をし始めて、もう、なんと、30.年がたってしまいました。今、指折り数えて、ギョッとしましたが・・・。昨年、NHK、ドラマ10「運命に、似た恋」で、初めてNHKと出逢いました。
そして、今、まさに、また、がっぷり四つに組んで、NHKと仕事をしようと、しています。素敵な出逢いとなりますように・・・・。
みなさまにも、このちょっと妙なタイトルの、新しい朝ドラとの出逢いを、楽しんでいただければ、と思っています。祈るような気持ちです。どうぞ、よろしく。

【北川悦吏子 プロフィール】
1961(昭和36)年12月24日生まれ。脚本家・映画監督。1992(平成4)年に「素顔のままで」で連続ドラマデビュー。主な作品に、社会現象となった「愛していると言ってくれ」「ロングバケーション」。そして、「ビューティフルライフ」「オレンジデイズ」など。2009(平成21)年には、映画の世界にも進出し、脚本監督作品に「ハルフウェイ」「新しい靴を買わなくちゃ」。活動は多岐に渡り、エッセイや作詞などでも、人気を集める。NHKでの執筆は昨年、ドラマ10「運命に、似た恋」が初。今作が2作目となる。


【制作にあたって  ・・・ 制作統括 勝田夏子】

あの北川悦吏子さんが、満を持して朝ドラを書かれます。しかも、昭和・平成のおよそ50年史。時代物は初めてだそうです。こんな北川さんは見たことがないけれど紛れもなく北川さんにしか書けない、そして、こんな朝ドラ初めてだけれど間違いなく朝ドラでしかできない、そんなドラマになることを願っています。
この50年の間に私たちの社会は大きく変わりました。高度成長からバブルの熱狂を経て、低成長の時代へ。スマホ・インターネットにAIにドローン、おひとりさま、イクメン……こういう時代になると誰が予想していたでしょう。そんな変動の中を私たちと共に生きて来たのが、ヒロイン・鈴愛です。北川さんはきっと、私たちの何気ない日常に息づいていた時代時代の空気を巧みにすくい上げながら、鈴愛の成長物語を生き生きと描いて下さることと思います。
そしてもちろん、北川さんといえば恋愛ドラマ。幼なじみの男性との約半世紀に渡る男女の絆も見どころです。
鈴愛が最後にたどりつくのは、「ひとりメーカー」。自分が必要だと思うものを、自分で作る。どんどん挑戦して、どんどん失敗して、いろんな人とつながって、新しいものを生み出していく。
私たちは誰でも、そういう自由をもっている、と思えることで元気がわく、そんな朝の15分をお届けしたいと思います。


平成30年度前期 連続テレビ小説 『半分、青い。』

【放送予定】
 2018年(平成30年)4月2日(月)から9月29日(土) 《全156回予定》
【制作スケジュール】
 2017年(平成29年)秋 クランクイン予定
【演出】
 田中健二、土井祥平 ほか
【プロデューサー】
 松園武大
【制作統括】
 勝田夏子


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