審査の結果、翻訳者と人工知能の差はかなり大きかった。韓英翻訳で人間の翻訳者たちが30点満点中平均24点だった一方、人工知能は8-13点だった。英韓翻訳でも人間の翻訳者は平均25点だったが、人工知能はせいぜい9-15点。クァク・チュンチョル教授は「人工知能は80-90%の文章が語法に合っておらず、固有名詞と一般名詞もきちんと区別できていなかった。語順の再構成をせずに単語の順に羅列する傾向があった」と言った。ただし、数字や定型化された文章が多い経済記事の翻訳では、まるで人間が翻訳したかのように完ぺきな文章もあった。人工知能翻訳機の間にもレベル差があった。グーグル翻訳機の精度はネイバーやシストランより高かった。
■日常生活に役立つことが現実的な目標
人工知能翻訳機はこのところ最も注目されている技術だ。昨年、グーグルとネイバーが発表した「人工神経回路網翻訳(NMT・Neural Machine Translation)」技術は、以前よりもはるかに改善されていい結果を出している。韓国電子通信研究院のキム・ヨンギル・グループ長は「かつては人がいちいち規則を入力して単語や文章を1対1で突き合わせていたが、人工ニューラルネットワーク翻訳は単純な規則さえ教えれば、自ら文章や単語を作り出す」と説明する。このため学者たちは、「将来的に人工知能に取って代わられて消える職業」の1位に通訳者・翻訳者を挙げてきた。人工知能企業「ソルトルックス」のシン・ソクファン副社長は「人間の言語を理解する人工知能が登場するにはまだ多くの時間が必要だということが確認できた。文章や言葉には感情が入っているので、これを人工知能が完全に理解できる段階まで成長可能かどうかも未知数だ」と述べた。
「papago」を開発したネイバーのキム・ジュンソク・リーダーは「知らない単語が出てきたら通訳機・翻訳機の助けを借りる程度というのが現実的な目標だ。短い期間で人間に取って代わるというのは不可能だ」と語った。