金正男氏遺体安置の病院騒然…息子が確認に来た!?情報錯綜、特殊部隊出動も

2017年2月22日6時0分  スポーツ報知
  • 金正男氏の遺体が安置されているクアラルンプール市内の病院周辺では警察の特殊部隊が小銃を手に厳重な警備を敷いている(ロイター)

 北朝鮮の金正男氏がマレーシアで殺害された事件で、韓国のMBCテレビは21日、正男氏の息子のハンソル氏(21)がクアラルンプールの病院を訪れ、正男氏の遺体を確認したと報じた。ただ、その後、保険当局は会見で「親族からの連絡を待っている」と情報を否定した。マレーシアの捜査当局が北朝鮮への遺体引き渡しを拒否するなか、病院周辺には特殊部隊が一時出動するなど、病院周辺は騒然となった。

 正男氏の遺体が安置されている病院施設前が緊張感に包まれた。21日午前1時40分(日本時間同2時40分)ごろ、銃を肩からさげた覆面姿の特殊部隊の隊員ら約50人が施設警備を始めた。

 クアラルンプールでは20日夜から、ハンソル氏が現地入りするとの情報が拡散。各国メディアは市内の病院施設前で、夜を徹して待機していた。マレーシア捜査当局が遺体引き渡しには親族による確認やDNAサンプルが必要としているため、「ハンソル氏が来たのでは」「誰かが遺体奪回にきたのか」などと臆測を呼んだ。同日午後の警察の発表によると、特殊部隊は不審者がいるとの病院側からの通報を受け出動。後に韓国のテレビ局の記者が不審な動きをしていたことが判明したという。警備態勢は徐々に縮小され、午前10時すぎには特殊部隊が撤収した。

 MBCテレビは21日に、ハンソル氏が特殊部隊と同じ服装で顔を隠しながら病院に入ったと報じた。約1時間にわたって正男氏の遺体を確認後、病院を立ち去ったとした。

 マレーシアの保険当局幹部はこの日午後、初めて会見。遺族から遺体引き取りの申し出はないと説明、ハンソル氏の現地入り情報を実質的に否定した。

 また、正男氏の遺体には針で刺されたような痕や目立った外傷はなく、北朝鮮が死因として主張している心臓発作についても「証拠は1つもない」と否定した。毒殺された疑いが一層強まったが、司法解剖の結果は出ていないとしている。

 香港紙によると、マカオ警察は正男氏の家族を、安全を確保する必要があるため保護したと報じた。ただ、保健当局はDNA鑑定のために遺族がマレーシアを訪問することを望んでおり、ハンソル氏が今後クアラルンプールを訪れる可能性はある。現場のヒートアップは当分収まりそうにない。

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