クラフトビールがは流行り始めて、豊富な種類のビールを取り揃えるお店が増えています。お酒が大好きな皆さんはビアバーなどに行くことも多いと思いますが、ビールの種類が多すぎて困ったことはありませんか?
「エールとラガー、なんとなく味が違うのはわかるけど、細かい種類まではわからない…。」
そんな方のために、ビールの種類を製法別に徹底解説します!
ビールは発酵方法によって種類が変わる?

そもそもビールとは、麦芽・ホップ・水のほかに副原料として、米・とうもろこし・でんぷん・糖類等を使用して、製麦→麦汁の仕込み→発酵→熟成・貯蔵という過程ののち出来上がります。
発酵の過程では、「上面発酵」と「下面発酵」という2種類の方法があり、この違いによってビールの味わいが変わります。上面発酵と下面発酵の違いは「酵母の働き方」にあります。
上面発酵ビールの特徴

上面発酵とは、どのような発酵なのでしょうか。
上面発酵酵母を使用し、やや高めの温度(20~25℃)で発酵を行う醸造法で、発酵中に酵母が浮上し、液面に酵母の層ができることからこの名があります。 出典:suntory公式HP F&Q
ビールの歴史は深く、大昔のエジプトやメソポタミアの人々もビールを飲んでいました。その頃から飲まれていビールが、常温で発酵する上面発酵ビールです。
イギリスで誕生した上面発酵ビールを「エール」と呼びます。現在では、「エール」は上面発酵の総称として用いられています。エールは、無濾過・非殺菌という伝統的な造り方で醸されています。フルーティーな香りと、甘みや香ばしさ、コクのある味わいが特徴です。
上面発酵ビールの主な種類
上面発酵ビールの主な種類を紹介します!
ベルジャンエール
エールの中でも、小麦と大麦の複数の麦芽を使用して醸すビールをベルジャンエール(またはベルジャンスタイルホワイト)と言います。主にベルギーで醸造されるビルであるため、ベルジャンエールと呼びます。スパイスとしてオレンジの皮とコリアンダーを混ぜており、爽やかな香りと甘酸っぱい味わいがあります。
ポーター
ポーターとは、いわゆる”黒ビール”です。ポーターは、18世紀にイギリス誕生したエールです。泡立ちや炭酸は控えめ、苦味を抑えたまろやかな味わいが特徴です。
スタウト
スタウトも、ポーターと同様に”黒ビール”といわれるエールです。イギリスで誕生したポーターが、アイルランドにわたって改良が加えられたものが、スタウトの発祥です。一般的にスタウトはポーターよりもアルコール度数が高く造られ、よりロースト感のある味わいです。
アルト
アルトビールは、ドイツ・デュッセルドルフ発祥のエールです。琥珀色で、ホップの苦みの効いたまろやかな味わいが特徴です。
ケルシュ
ケルシュは、アルトと同様ドイツのビールです。デュッセルドルフからほど近い街・ケルンで誕生したエールです。さらっとした飲み口で、苦味が少なく飲みやすい味わいが特徴です。
ヴァイス
ヴァイスビールは、いわゆる”白ビール”です。小麦を使って醸造されるため、「ヴァイツェンビール」とも呼ばれます。なかなか消えないクリーミーな泡立ち、甘い果物系の香りと苦味の少ない味わいが特徴です。
下面発酵ビールの特徴

上面発酵の特徴と種類は分かりました。では、下面発酵とはどのような発酵でしょうか。
下面発酵酵母を使用し、低温(6~15℃)で発酵を行い、発酵が終わると酵母がタンクの底に沈降するのでこの名が付けられています。 出典:suntory公式HP F&Q
低温での発酵が必要な下面発酵ビールは、冷蔵技術が未発達だった時代には、冬のドイツやチェコでしか造ることができませんでした。ビールは貯蔵庫(ラガー)で貯蔵することによって味が良くなるということがわかってから、低温熟成させるラガービールが誕生しました。
ラガービールは、澄んだ色、クリーミーな泡立ち、絶妙な苦味と爽やかなキレのある味わいが特徴です。
下面発酵ビールの主な種類
下面発酵ビールの主な種類を見ていきましょう!
デュンケル
デュンケルは、ドイツ・ミュンヘンで誕生したビールです。ローストした大麦を使用し、香ばしく、黒ビールのわりに飲みやすい味わいが特徴です。
シュバルツ
ドイツ語”黒”を意味するシュバルツは、下面発酵の黒ビールです。デュンケルと同様、ローストした大麦を使用しており、香ばしさの中に絶妙な甘みを感じられる味わいが特徴です。シュバルツの方がより黒に近い色合いで、この違いはローストの程度から来るものです。
ウィンナー
ウィンナー(またはヴィエナスタイル)は、オーストリア・ウィーン発祥の、浅煎りの麦芽(ウィンナーモルト)を使用した下面発酵のビールです。赤銅色、トーストのような香りと、やや甘口のまろやかな口当りが特徴です。
ピルスナー
ピルスナーは、チェコで誕生した下面発酵のビールです。世界中で醸造されているビールの大半はピルスナーで、日本でも「ラガー」としてお馴染みのビールです。透き通った黄金色、スッキリとした喉越しが特徴です。ピルスナーの元祖は、チェコのピルゼンで1842年から生産されている「ピルスナー・ウルケル」です。
アメリカン
アメリカンは、アメリカ発祥の下面発酵ビールです。淡い金色、強めの炭酸と、苦味やクセが少なくさっぱりと軽い飲み口が特徴です。
ボック
ボックは、ドイツ発祥の下面発酵”黒ビール”です。黒色、濃厚で力強いコクのストロングビールとして有名です。「田沢湖ビール ダブルチョコレートボック」や「銀河高原ビール ヴァイツェンボック」など、日本のクラフトビールでも多く取り入れられているスタイルです。
スティーム
スティーム(またはコモン)は、アメリカ・カルフォルニア発祥の下面発酵ビールです。ゴールドラッシュの時代に、ドイツからの移民がカルフォルニアの地でビール醸造を始めたのが起源です。
自然発酵ビールの特徴と種類
エールでもラガーでも共通していることは、麦芽、ホップ、水、酵母の四つの原料を使って醸造しているということです。このとき使われる酵母は、上面発酵酵母と下面発酵酵母に大別されますが、どちらも醸造用に人口培養されている酵母を使っています。エール・ラガーとは異なり、自然界に存在している酵母を使って、自然に発酵させるのが、自然発酵ビールです。
ランビック
”自然発酵ビールといえばコレ”と言っても過言ではない、自然発酵ビールの総称とされる「ランビック」は、ベルギー発祥のビールです。ベルギーのパヨッテンラント地域、もしくはゼンネ川付近にある醸造所という、限られた区域で造られた自然発酵ビールのみが、ランビックと認められます。ランビックに薄いビールや果物のシロップを混ぜて作る「グーズ」や「ファロ」という種類もあります。
いかがでしたか?ビールの醸造には「上面発酵」「下面発酵」という2種類の発酵方法があり、キレやコクなど豊かな味わいの違いを生んでいます。
ビールの違いがわかると、もっとビールを楽しめそうですね!今日はどのビールを飲みますか?