ANAマイルは買える…
航空マイルは実際に飛行機に乗ったり(搭乗マイル)、クレジットカードを含む各種ポイントの交換で貯めたりする他ないように思えますが、実は購入することができるんです。
俗に『バイ(Buy)マイル』などと称されるマイルの購入ですが、マイラー初心者にとってはその効能・効果や意味が少し分かりづらいもの。
本記事では、バイマイルの基礎知識と活用例、そして実際にANAマイルを買ってみたレポートをお送りいたします。
マイルの購入は未来への投資!?最終的なマイル価値を高めれば大きなリターンに
『マイルって、買ってまで欲しいモノ?』
これは私が初めてバイマイルという行為を知った時の率直な感想でした。確かに我々はすでにポイントサイトとソラチカカードを活用した、負担の少ない大量のANAマイル獲得方法を身につけています。
時間はかかりますが、うまくやれば費用負担はほとんど無視できるレベル。なのに、わざわざお金を出してマイルを買う必要がどこにあるの?という感覚は自然です。
1マイルあたりの価値を高めれば最終的なリターンは絶大
△レギュラーシーズンであれば往復15万マイルで約230万円*1の特典航空券が手に入る。この場合のマイル単価は15.3円。
マイルを買ってどうするかといえば、やはり特典航空券への交換を行いますよね。その時、特にファーストクラス・ビジネスクラスの国際線特典航空券を選んだ場合には、1マイルあたりの単価が軽く7, 8円、場合によっては10数円を超えてきます。
路線にもよりますが、上級クラスの航空券は4, 50万円~数百万円と非常に高額ですから、こういった高単価の特典航空券をゲットできると、
という構図が成り立ちますから、さながら間違いなく勝てる投資を行っているようなものと言えるんですね。
マイルは使い方によってその価値が変化しますが、最大価値で利用することを考えれば、最終的なリターンは想像以上に大きくなるのです。
事実、マイルを良く知っている方にとってはバイマイルは当たり前のことであり、恒常的に買い、特典旅行に使っている…というパターンも多いようです。
マイルってどこで買えるの?
ANAマイレージクラブ(AMC)の会員規約にも記載がありますが、基本的に会員に積算されたマイルは売買も譲渡もできません。*2
ではどこから買うのか?というと、ヤフーオークション(ヤフオク)です。
インターネットで『マイル 購入』などのキーワードで検索すると、実に多くのヤフオクページがヒットします。
つまり、ANAマイルは個人間の売買で手に入れることができるのです。
基本的に売買・譲渡できないはずのマイルが、なぜヤフオクで手に入るのか。この点については後述しますが、ここでは『一会員個人(買う側)としては全くもってグレーな行為でない』ということだけをお伝えしておきます。
ヤフオクでANAマイルを購入してみる
それでは、本物のバイマイルを実際に体験してみます。
以下では購入の際のスクリーンショット画像を掲載していますが、一部モザイク処理を施しています。*3
*ヤフオクで取引をする際にはYahoo! IDが必要になります。
△ヤフオク!トップページから、『ANAマイル』などの単語で検索。
△ヤフオクで『ANAマイル』と検索すると、上記のようにANAマイルの出品を確認できます。
*少し脱線しますが、この中の『anaマイル★裏ワザ』なんていう出品は当然無視してください。ポイントサイト×ソラチカを知っているあなたには不要なモノです。
△この中から、1,000マイル/2,750円〜の出品をチョイスしました。50,000マイルとか100,000マイルとか、マイルのまとめ買いをするとお得になっていくようです。
しかしどのような仕組みなのかは定かでありませんが、ANAマイルを落札者のマイル口座に直接加算してくれるとのこと。
△落札したら、マイル口座番号(AMC会員番号)と名義(ローマ字)を通知します。
△非常ーーに怪しい感じがするこのマイルの直接購入ですが、出品者の評価をよく確認しておけば問題ないでしょう。少なくとも詐欺などではありません。
△今すぐ落札するをクリック。
△ガイドラインに同意して、入札するをクリック。
△落札が完了してしまいました。もう後には引けません。
△落札した以降は、ヤフオク!の取引ナビを利用して出品者とやりとりをしていきます。落札価格は1,000マイルの価格ですので、取引ナビでこちらの必要マイル数を通知し、出品者に振り込む金額を確認します。(今回は5,000マイル購入希望で連絡)
△必要マイル・金額を確認したら、取引ナビからそのまま支払いを完了させてしまいます。
・・・と思ったのですが、私の場合どうしてもYahoo!かんたん決済でエラーが出るので、出品者にその旨伝えて、銀行口座へ直接振込で入金しました。
取引を完了し、入金を済ませたのが日曜日の夜*4。翌日の月曜日にはAMC口座へマイル加算手続きをした旨出品者から連絡がありました。
△連絡から3日後、自分のマイル口座を確認すると、購入した5,000マイルが無事加算されていました。
以上が、ヤフオクでのANAマイル購入の一連の流れです。実際にやってみると、マイルという実体のないものの取引なのですが、案外簡単に実践することができました。
旅行が近づくほど効果があるマイルの購入
マイルを特典航空券に交換することを考えた場合、1マイルあたりの価値は、旅行が近づくほど上昇していきます。*5
それは、同じ路線で、特典航空券の必要マイル数は変わらないのに、購入した場合の運賃は上がっていくから。
こう考えると、『ある程度近い日取りで特典航空券を取りたいが、あともう少しマイルが足りない!』という状況の時、付与日数が早いこともあり、積極的に活用を検討できるのではないでしょうか。
実際、私が買った5,000マイルは、2016年のビジネスクラス特典航空券によるハワイ旅行(の一部)へと費やされました。
この時は個人的な都合で早く航空券を確保したいが、発券にあと5,000マイル足りない!という状況で、まさに本項にピッタリの場面。
最終的には、正規運賃なら1人往復・約42万円の航空券と交換でき、1マイル約2.2円で買ったANAマイルは約6.5円にまで価値が上昇。マイル購入にかかった1万円が3万円に殖えて返ったきたような印象ですね。
ヤフオクで買えるANAマイルのカラクリ
購入者本人のAMC口座に直接加算される『ヤフオクANAマイル』。そのカラクリについては、マイル口座に記載された明細から、少し窺い知ることができます。
具体的な名前を出すことはできませんが、このヤフオクANAマイルは『アワード(特典)』として付与されているフシがあります。
つまり、例えばある個人が、自分のクレジットカードのポイントをマイルへと交換した場合などの、特典付与のスタイルに似ているんですね。
ここから推測できるのは、出品者はポイント特典の付与権限・システムを独自に扱える人ではないか?という点です。
企業としてやっているのか、個人としてやっているのかは全く不明ですが、例えばとあるポイントを安価に仕入れ、アワードとしてマイルを付与できる仕組みを利用し、欲しい人に現金で売って差益を得る…という構造になっているのではないかと考えられます。
まとめ
ANAマイルはヤフオクを介してお金で買うことができるという、知らない方には衝撃の事実をお伝えしてきました。
出品者の実体はいざ知らず、ヤフオクの評価や取引履歴を吟味すれば、安心して購入できる方も多数いらっしゃると思います。
購入してからのマイル付与も迅速ですし、特典航空券に交換すれば絶対に勝てる投資をしたようなもの。
陸マイラーの基本はポイントサイトでの活動ですが、『バイマイル』も使いどころを見極めて活用するようにしたいですね。