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いま文系学部を受けるなら「文学部」がいいと思うワケ。

大学の入試が続いている。とあるサイトに出ているバナー広告で、僕の出身学部の合格発表が今日であることを知った。いまだに、受験番号は記憶している。

しかし、今だったらどんな学部を受けただろうか?

僕の卒業した学部は法学部政治学科で、法律関連の科目は「法学概論」だけが必修だった。法律の基礎知識については、ミステリー小説で知った。大岡昇平の「事件」というのが結構勉強になったという記憶があるけれど、いま奥付を調べると中学生の時に読んでいた。

政治学といっても結構幅が広くて、僕は「西洋外交史」を専攻したかったのだが、入学したら定年になっていた。なんで入学案内にわざわざ写真が載っていたのかと思うが、事前の下調べといってもその程度だったのだろう。

その後は、アフリカの地域研究に関心を持ったのだけれど1983年の総選挙の開票速報を見ているうちに気が変わった。選挙理論と予測モデルのゼミに行ったのだが、統計の基礎を学んだことはその後の仕事に大きく影響した。

では、いまだったらどんな学部を選ぶだろう。

まず、これからの社会を考えると「理系学部」は大切だと思うし、人には薦めるけれど自分は根っからの文系なので、まずこれについては選択肢の外になる。

で、政治学というのはどの大学でも、いい意味で枠が緩い。狭義の「政治」を研究している先生はむしろ少数派だし、社会全体のことを学べる学校が多いと思う。「政治」という名前を冠していない学部も多い。いま受験生だったとしても、選択肢になったと思う。

ただ「法律学科」はないだろうな、と思う。基本的には「日本の法」を学ぶことになるわけだけれど、これからはどうなんだろう。もちろんグローバルでも法の精神を知ることは有用だけど、何といっても国内法の比率が高い。そのうえ、プロの法律家でも人によっては仕事がない状況だ。多分、選ばないと思う。

経済学はどうなんだろう。ビジネスの世界に行く上では有用な部分もあるけれど、どこか「雲の上」感もある。だったら、役立ち方としては経営とか商だろうか。広くビジネスへの関心を持つのならばいいとは思うんだが、何といっても現実のスピードが速い。

社会に出てから学びなおす、という選択肢もあると思う。

いろいろ考えてみたとき、「文学部」というのはこれからの社会を考えるときに魅力的な選択ではないだろうか。

何を専攻するかにもよるけれど、基本的には「人」について学ぶ。経済や経営は、卒業後の実践から学びなおすこともできるが、18歳からの「多感な時期」つまり「何かと疑い深くなれる時期」には「人」について考えることがいいんじゃないだろうか。

これからは、いわゆる「理系」の能力があらゆる分野で重要になってくるときに、補完関係になるのは人文科学の視点だとも思う。

哲学を含めた「答えのない問題」を考えられる人がリーダーになっていくと思うのだ。

一方で法学というのは、近代国家を納めるための官僚の学問で、それを企業が模していた時代には存在意義があったのだが、これからは違ってくると思う。

文学部でも心理学専攻であれば統計を学ぶし、語学などについても学ぶ機会は広い。

いまだに「文学部は就職に弱い」という説はあるようだけど、そんな偏見を持ってる会社の方がダメになっていくんじゃないか、と思うな。

ああ、なんだか18歳に戻って文学部受けたくなってみた。

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