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ブラックホールの「事象の地平線」を撮影へ。世界の電波望遠鏡をリンク、地球規模の電波干渉計として使用

被写体は銀河系の中心、サジタリウスA*

Munenori Taniguchi
1 時間前 in space
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世界に点在する電波望遠鏡を結び、地球規模の電波望遠鏡として動作させる「事象の地平線望遠鏡(Event Horizon Telescope:EHT)」が、4月5日~14日の期間で天の川銀河の中心にあるブラックホール「サジタリウスA*」を観測する予定です。もし観測が成功すれば、はじめてブラックホールの事象の地平線を視覚的に見ることができるかもしれません。

日本、米国、ドイツ、台湾、チリといった国の電波望遠鏡を連動させ、地球サイズの基線をもつひとつの電波干渉計として動作させるETHは、約20年間の歳月をかけて構築され、ようやくその目的であるブラックホールと捉えようとしています。その性能はハッブル宇宙望遠鏡の100倍以上とされ、地球から月の表面に置いたCD1枚をみつけることができる解像度を備えます。

ETHが目標を定めるのは、超大質量ブラックホールと考えられているサジタリウスA*。このブラックホールは太陽系も属する天の川銀河の中心、地球から2万6000光年離れた位置にあります。太陽のおよそ400万倍の質量がありながら、その事象の地平線(光が逃れられなくなる境界線。見かけ上は真っ黒な球体になると考えられる)の直径は約2000万kmよりも小さいと考えられています。ちなみに太陽の直径は約140万km

4月5日からの観測では、サジタリウスA*の事象の地平線を捉える予定ですが、そのデータ量が膨大になるため、観測チームはノートPC約1万台分のコンピューターモジュールを用意。米マサチューセッツのMITヘイスタック天文台に設置したストレージにデータを集約して分析を実施する予定。ただし分析が終わって、われわれが事象の地平線を画像として見られるのは、おそらく2018年初頭ぐらいになる見込みです。

上は、2016年にEHTでブラックホールがどのように見えるかを一般相対性理論にもとづくシミュレーションによって描き出した例。中心にある黒く丸い部分がブラックホールで、その縁の部分が事象の地平線です。もし、EHTで撮影したブラックホールがこれとまったく異なる見え方だった場合は、アインシュタインの重力理論を再考する必要性も、もしかすると出てくるかもしれません。
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