20日午前4時半ごろ、アシアナ航空のウェブサイトがハッキングされ、一部顧客が航空券を予約できないなどの被害が出た。
ハッキングされたサイトの画面には、黒い背景に覆面を被った人物の顔や「正義も平和もない」という意味の英文が書かれている。ハッカーは「クロイSH・アンド・プロソックス」を自称し、「アルバニアがセルビア人に対して犯した罪を世界が知るべきだ」「セルビアが忘れられることはない」といったメッセージを書き込んだ。
アシアナ航空によると、ウェブサイトのIPアドレスと英文ドメイン(flyasiana.com)を結ぶドメインネームシステム(DNS)を管理する外部業者がハッキングを受けたもようだとし、「内部システムがハッキングされたわけではないため、内部資料や顧客情報などは流出しなかった」と説明した。
アシアナ航空は午前5時38分から復旧作業を開始し、午前11時ごろに復旧を完了した。韓国警察庁サイバー安全局は通報を受け調べを進めている。今回のハッキングは欧州のバルカン半島で「火薬庫」と呼ばれるアルバニアとセルビアによる宗教・人種紛争に起因するものとみられる。キリスト教徒が中心のセルビアとイスラム教圏のアルバニアは1990年代末にセルビアの自治州だったコソボをめぐり戦闘となった。