「女性家族部(省に相当)が韓日慰安婦合意に反対意見を表明した民間団体に対する政府支援を中止した」との主張が飛び出した。
これは、国会の女性家族委員会に所属する最大野党「共に民主党」のムン・ミオク議員が20日、「女性家族部から提出された資料『朴槿恵(パク・クネ)政権年度別女性家族部民間団体国庫補助金支援現況』を分析した結果、確認された」として明らかにしたものだ。
ムン・ミオク議員によると、女性家族部は2013年に「女性団体共同協力事業」と「旧日本軍従軍慰安婦被害者の生活安定および記念事業」で、「ナヌムの家」「従軍慰安婦と共にする馬昌鎮市民の会」など4つの市民団体と韓国女性人権振興院に2億8900万ウォン(現在のレートで約2900万円)の予算を組んだ。
14年にも「社団法人韓国挺身隊問題対策協議会」「ナヌムの家」「韓日歴史交流会」など17団体に26億4700万ウォン(約2億6000万円)を支援した。
また、15年には13団体に13億900万ウォン(約1億3000万円)を支援するなど、慰安婦問題を国内外に伝えるさまざまな事業に支援を惜しまなかった。
ところが、15年12月28日の韓日慰安婦合意以降、これに対する反対意見や反対声明を発表した「社団法人韓国挺身隊問題対策協議会」「ナヌムの家」「従軍慰安婦と共にする馬昌鎮市民の会」への支援が中止されたという。
ムン・ミオク議員は「ある市民団体は韓日慰安婦合意で設立された『和解・癒やし財団』のせいで事業支援が続けて受けられなかった」と主張している。
同議員は「従軍慰安婦被害者のための事業を推進していた民間団体に対し支援を中止したのは、芸術家への支援を排除した『文化・芸術関係者ブラックリスト』と同じだ。韓日慰安婦合意に対する反対意見・声明を発表した団体に予算支援を中止したのは、女性家族部が国家予算をもって民間団体の『派閥分け』や『懐柔』を行ったものだ」と主張した。
これに対して女性家族部は「2014年から15年まで韓国女性人権振興院で行われていた『国際協調活動および民間団体記念事業』公募で選定された民間団体に事業費を支援したが、16年は当該公募事業そのものを実施していない」と反論した。
そして、「社団法人韓国挺身隊問題対策協議会には毎年、施設運営費(3000万ウォン=約300万円)を支援してきたが、16年にはこれを団体側から返納してきたため、今年もその予算を確保して国費支援を申請するよう公文書で案内したが、現在まで回答がない」と説明した。
また、ナヌムの家については「歴史館改築や追慕館建設事業のため、14年に10億ウォン(約1億円)の予算を支援、現在も事業を推進している」と述べた。