民進党代表として精力的に政治活動を続ける蓮舫氏。作家の林真理子さんとの対談で明らかになったのは……。
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林:安倍総理との関係はいかがですか。論戦の場を離れたときには、「お疲れさま、お互い大変だったね」とか、ちょっと立ち話をしたりすることもあるんですか。
蓮舫:総理とはないですね。私は質問のときに目も合わせていただけないので、あまり好かれていないのかな(笑)。でも自民党の大臣や三役の方で、そういう話をする方もいます。表舞台では戦わなくてはなりませんが、そこは人間ですから普通に接しています。
林:政権支持率も高いし、安倍総理、このごろ余裕じゃないですか。追及しても余裕でほほ笑みなんか浮かべちゃってるし。ああいうときってムカつきません?
蓮舫:支持率が6割もあるというのは、率直にすごいです。それだけ信頼されてるということですから。でも、だからといって切り崩せないわけではない。総理に見えてない現実、聞こえていない声に対して、私たちは対案と知恵と言葉を持っています。介護離職ゼロ、希望出生率1.8、素晴らしい目標です。でも、介護離職はいまなお年間10万人を超えている。生まれる子どもは年間98万人で、100万人を切りました。掲げる目標は正しくとも、手段がずれているからです。
林:総理をやり込めたいけど、あんまりグサッとやると反感を持たれるし、難しいですよね。
蓮舫:いちばん面倒くさいのは、「女のくせに」と言われることですよ。
林:週刊文春には、「蓮舫に踏み台にされた男たち」(12月29日号)とかいう記事が大きく出ていましたね。
蓮舫:野田(佳彦)幹事長に会ったら、笑いながら「私は踏み台ですから」と言っておられました(笑)。
林:二重国籍問題以来、蓮舫さんに対する攻撃が強くなってるような気がしますけど。
蓮舫:いや、ずっとです。
林:なんでですかね。党首になる前は、メディアから人気のある女性政治家として扱われていたのに。
蓮舫:この間の週刊誌の見出しを見て思ったのは、女性党首は「男を踏み台にした」と言われても、男性は「女を踏み台にした」とは言われないということです。女性はまだまだ頑張らなければいけないんだと思いました。そして女性が特別頑張らなくてもいい、ふつうの時代をつくらなければなりませんね。
※週刊朝日 2017年2月3日号より抜粋
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