菅野雄介 力丸祥子、杉浦幹治
2017年2月21日14時00分
文部科学省の組織的な「天下り」あっせんシステムの中心だったと認定された人事課OBは、新設をめざす大学の学長予定者になっていた。文科省の調査で見つかった人事課のメモには、そのOBの関与を隠すよう指示する記載が見つかった。
■文科省、不当な働きかけ否定
21日午前9時に始まった松野博一文科相の記者会見で、質問が集中したのは、「天下り」仲介役の人事課OB、嶋貫和男氏を学長に予定していた滋慶大学(大阪市、通信教育課程)の設置申請に絡む問題だった。
文科省の中間報告によると、嶋貫氏が2010年1月から特別顧問を務めていた滋慶学園側は14年3月末に同大の設置を申請。文科省の大学設置・学校法人審議会で審査した。
だが、当時の大臣官房審議官と設置審査担当の補佐級職員は人事課職員に、学長予定者を巡り是正意見が出るとの情報を伝達。同省は中間報告で、設置審査とは関係のない職員に情報を伝えたことは信用失墜行為を禁じた国家公務員法違反にあたると指摘した。人事課職員は同5月13日に人事課長にメールで伝えたが、嶋貫氏には伝えていないという。
同省は同5月19日、滋慶学園に「学長の資質が不明確」などとする是正意見を出した。その後、同7月末に設置申請は取り下げられたという。同省は審査過程や嶋貫氏の処遇について、不当な働きかけなどはなかったと説明した。
しかし会見では「情報漏洩(ろ…
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