ジョンナム氏殺害 北朝鮮国籍の4人 事件の50分後に出国

ジョンナム氏殺害 北朝鮮国籍の4人 事件の50分後に出国
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北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム(金正男)氏がマレーシアで殺害された事件で、国外に逃走した北朝鮮国籍の4人の容疑者は事件のわずか50分後のインドネシア行きの便に乗って出国したことがわかり、警察は4人が周到に計画したうえで犯行におよんだと見て捜査しています。
この事件は、今月13日、マレーシアの首都クアラルンプールでキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム氏が殺害されたものです。

マレーシア国営のベルナマ通信は、21日、事件に関わったとされる北朝鮮国籍の4人の男は、事件のわずか50分後の午前9時50分に出発したインドネシアのジャカルタ行きの便で出国したと伝えました。

インドネシアの入国管理当局によりますと、4人のうち、リ・ジェナム容疑者(57)とリ・ジヒョン容疑者(33)、ホン・ソンハク容疑者(34)の3人は、その日の夜、ジャカルタから中東のドバイに向けて出発したということです。

NHKが独自に入手したジャカルタ近郊の国際空港の監視カメラの映像には3人の容疑者と見られる男らが航空会社のチェックインカウンターで手続きを終えたあと、出国審査を受けて搭乗する様子が写っています。

マレーシアの警察は、男らがキム・ジョンナム氏の行動を把握し、事前に逃走用の航空券を手配するなど周到に計画したうえで犯行におよんだと見て捜査しています。

また、インドネシアの入国管理当局によりますと、4人の容疑者のうち、オ・ジョンギル容疑者(55)については、インドネシアから出国したことが確認されておらず、マレーシアの警察は、インドネシア当局とともに男の足取りを調べています。

一方、キム・ジョンナム氏の息子、ハンソル氏が、20日、マレーシアに入国したと一部のメディアで伝えられたことについて、マレーシア警察のハリド長官はNHKの取材に対して「報道は正しくない」と述べて、ハンソル氏の入国を否定しました。

空港のカメラに3人の姿

インドネシアの入国管理当局によりますと、事件に関わったとされ、すでにマレーシアを出国した北朝鮮国籍の4人の男のうち、リ・ジェナム容疑者(57)とリ・ジヒョン容疑者(33)、ホン・ソンハク容疑者(34)の3人は、今月13日の夜、マレーシアから到着したジャカルタから中東のドバイに向けて出発したことが確認されています。

NHKが入手したジャカルタ近郊の国際空港の監視カメラには、13日の午後9時すぎ、3人の容疑者とみられる男らが出発ロビーに入る様子が写されています。

男らはそれぞれ1つずつ同じ銀色のスーツケースを持っていて、リ・ジェナム容疑者とリ・ジヒョン容疑者と見られる2人はシャツにジャケットを羽織ったビジネスマン風の格好をしています。また、ホン・ソンハク容疑者と見られる男は赤っぽい半袖シャツを着て、空港のチェックインカウンターではリラックスした様子でスタッフと会話をする様子が写っています。

男らはスーツケースは預けず、チケットを受け取ると出国手続きを済ませ、午後11時すぎに搭乗口に向かう姿が最後に確認できます。

インドネシア当局はすでに映像の提供を受け分析を進めていて、マレーシア側とも連携しながら男らの足取りを調べています。