私はなぜボーカルがいないインストバンドをやっているか ― もちろんインストが好きということがありますが、上手いボーカルがなかなかいないということもあります。
特に私がやってみたいと思っている曲はアレサ・フランクリンやチャカ・カーン、ミニー・リパートンといった黒人のソウル系です。このような曲を歌える日本人はなかなかいません。
また、洋楽をコピーする際には、歌が上手いかどうかだけでなく、英語の発音がとても気になります。これは日本生まれの日本人にとって難しいところです。
弊社は外資系です。石を投げればネイティブに当たるぐらいです。まず英語の発音はクリアですが、それでいて歌が上手いなどそうそういるわけがないと思っていました。
しかし、いました。顔は知っていましたが、部署がまったく違うので話したことがありませんでした。海外製品の営業のアマンダさん(仮、白人、年齢不詳)です。
第一声を聞いた瞬間、鳥肌が立ちました。小柄なスレンダーなので声が細いと思い、最初は音を小さめに弾いたのですが、ものすごくパワフルな声に圧倒されました。
1曲終わって話を聞いてみたところ、子どものころから教会の合唱団でゴスペルを歌っていたとのこと。
本物だ!
アマンダさんは定時の18時まで抜けられず、途中参加でした。彼女が来るまで楽器隊だけだったのですが、「これはちょっとまずいかも…」と思っていました。
それが彼女が入った瞬間、一気にピリッと締まりました。バンドにも慣れていて、要所要所で合図を出してくれたり、煽ったりしてくれます。
灯台下暗し。早速、私のバンドに誘っておきました。今度、試しに歌ってみてくれるそうです。その前にまず明後日の歓送迎会が少し楽しみになってきました。
ちなみに、会場はふみちゃんの会社からも近いはずなので、ふみちゃんも聞きにきてくれたりしたら…と妄想してみるのですが、そんなことはあり得るわけもなく。