「ANAのマイルをクレジットカードで貯めたい」、「ANAの上級会員になってSFCを取得したい」
このような場合、ANAのクレジットカードを作成する必要があります。数あるANAカードの中で、どれを作ればよいのかわからない場合も多いと思いますが、私がお勧めするのは、ANA VISAゴールドカードになります。遅ればせながら私も発行しました。
カードスペックの概要
まずは、カードのスペックをみてみましょう。
- カード名称:ANA VISAワイドゴールドカード
- 年会費:14,000円+税(最低9,500円+税まで減額可能)
- マイル還元率:1%(最高1.7%まで上昇可能)
- 国際ブランド:VISA
- カード付属電子マネー:Edy、iD
- 追加可能カード:家族カード、銀聯カード、ETCカード
- SFC資格を有すればSFCゴールドに無審査で移行可能
三井住友カードが発行するANAカード各種は、決済1000円につき1ポイント貯まる「ワールドポイント」をANAマイルに交換する、という仕組みをとっています。JALカードのように、手続きなしで直接マイルが貯まるわけではありません。ANA VISAゴールドの場合、無条件で1ポイントは10マイルに交換することができます。
よって、マイル還元率(決済金額あたりのマイル付与率)は通常1%になります。1%じゃ普通じゃね?と思うかもしれませんが、使い方を工夫することにより、最大で1.7%、現実的なラインで1.5%に上昇します。これについては、ちょっとコツが必要なので、追って説明しますね。まずはANA VISAゴールドのメリットについて説明させてください。
なぜ、ANA VISAなのか?JCBやAMEXではダメなのか?
ANAカードには、VISA、MASTER、JCB、アメリカン・エキスプレスなど様々な種類がありますが、三井住友カードが発行するVISAブランドとMASTERブランドの場合、「マイ・ペイすリボ」と「Web明細サービス」という2つの制度を使うことにより、カードの年会費が割り引かれるというのがあります。
それに対して、JCBやアメックスには年会費を割引する制度がありません。これだけでも、VISA/MASTERの優位性が高まりますね。
では、この2つの制度について説明していきます。
まず、「マイ・ペイすリボ」です。これは、三井住友カードのリボ払いの一つである「マイ・ペイすリボ」という支払方法に設定すると、年会費が割引されるというものです。
「リボ払い?確かにリボにするとポイントがいっぱい貯まると聞いたことはあるけれど、どんどん支払額が貯まっていって金利もいっぱい取られる罠があるんでしょ?」と思った人。確かに、「バカ正直に」リボ払いしてしまえばそのようなことになってしまいます。
ではどうするか。一番手っ取り早いのが、リボの支払額(最低支払額)をクレジットカードの利用限度額まで引き上げてしまう方法です。これをすれば、いくらリボ払いにしても、次の支払いで全額請求にあがってきます。そうすれば支払いは翌月に繰り越しませんので、実質的には1回払いと同じです。このような使い方をしても、年会費の割引は受けられます。(ANA VISAワイドゴールドの場合、3,500円引き)
また、Web明細サービスはその名の通り、明細書の郵送を行わず、Webで確認するというものです。これは、過去12か月で6回以上請求があった場合、年会費の割引を受けることができます。なので、初年度の割引は受けられませんが、2年目以降は条件に合致すれば年会費をさらに割引することができます。(ANA VISAワイドゴールドの場合、1000円引き)
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なぜ、ANA VISAワイド「ゴールド」なのか
ANAカードには、一般カード、ワイドカード、ワイドゴールドカードという3ランクがあります(それ以上もありますが、年会費が高いので庶民向きではないことからここではおいておきます)
一般カードとワイドカードの場合、ワールドポイント1ポイント(1000円ごとに付与)あたり5マイルの交換レート、つまり還元率は0.5%になってしまいます。一方、ワイドゴールドカードの場合、1ポイントあたり10マイルの交換レート、つまり還元率は1%となります。
この差を埋めるべく、普通カードやワイドカードを利用する場合、「移行手数料」を払って、1ポイントあたり10マイルの交換レートにすることも可能なのですが、この移行手数料、6,000円もするのです。
今回、マイルを貯めることが前提でANAカードを作るわけですから、この移行手数料を考慮して損得を考える必要があります。その年会費比較は以下のとおりです。
【1年目】
一般 | ワイド | ワイドゴールド | |
---|---|---|---|
年会費 | 0 | 7,250 | 14,000 |
年会費(割引後) | 0 | 6,275 | 10,500 |
移行手数料 | 6,000 | 6,000 | 0 |
合計 | 6,000 | 12,275 | 10,500 |
確かにカード年会費のみかけ上はワイドカードの方がお得ですが、移行手数料を勘案すれば、ワイドゴールドワイドカードよりも年会費が安くなっています。
【2年目以降】
一般 | ワイド | ワイドゴールド | |
---|---|---|---|
年会費 | 2,000 | 7,250 | 14,000 |
年会費(割引後) | 1,052 | 6,275 | 9,500 |
移行手数料 | 6,000 | 6,000 | 0 |
合計 | 8,000 | 12,275 | 9,500 |
2年目以降は、ワイドゴールドカードに限り「web明細割引」も併用することができますので、さらに年会費が安くなります。ますますワイドゴールドの優位性が高まりますね。
【2年目以降:SFC取得】
SFC | ワイドゴールドSFC | |
---|---|---|
年会費 | 10,250 | 15,000 |
年会費(割引後) | 9,275 | 10,500※ |
移行手数料 | 6,000 | 0 |
合計 | 15,275 | 10,500※ |
※ SFCカードで決済はしないと割り切った場合、web明細割引が適用されないため、+1,000円となる
ただし、SFC取得だけが目的でANAカードを作る場合、SFC取得後に決済を行わないのであれば、SFC取得後に普通のSFCカード(ワイドカード相当)にダウングレードする選択肢もあると思います。決済しないのであれば移行手数料は考慮しなくてよいので、2000円程度、維持費を圧縮することが可能です。また、家族カードを作成すると、この差は広がってきます。
ただ、その場合でも、1年目(SFC修行年)は、クレジットカードを発行の各種キャンペーンに参加するため決済する機会も多いと思うので、ワイドゴールドにした方がよいと思います。
私の話で恐縮なんですが、最近メインカードはSPGアメックスというカードを利用しています。ANAにもJALにも還元率1.25%、ブリティッシュエア等には最大で1.7%にすることができるカードです。今はキャンペーンがありますのでANA VISAゴールドを使っていますが、キャンペーンが終了したらやはり決済はSPGアメックスで行いたいと考えているので、SFC取得時にはダウングレードする予定です。
SPGアメックスの説明はこちらでしています。クレジットカードでマイルを貯めたい人、旅行好きな人にはお勧めのカードです。
issy-style.hatenablog.com
マイル還元率を最大化するマイ・ペイすリボの使い方
お待たせしました。ANA VISAゴールドカードのメリットを説明し終わりましたので、ANAカードでマイルを極限まで貯めたい方向けの説明を始めます。
おさらいですが、ANA VISAゴールドを通常利用すると、1000円あたり1ポイントのワールドポイントが貯まり、これが1ポイント=10マイルに交換できますから、還元率は1%となります。
さらにマイルの還元率を上げる方法、それもまた、「マイ・ペイすリボ」なのです。マイ・ペイすリボに登録したうえで、1円でも金利を発生させることによって、本来獲得できるポイントと同数のボーナスポイントを獲得することができます。つまりポイント2倍!というわけです。
あれ、「ポイント2倍ってことはポイント還元率は2%になるんじゃないの?」と思うかもしれません。これはちょっと説明が必要ですね。
上の画像の下の※印のところには、しれっと「通常のワールドプレゼントのポイントに加え、同じポイント数のボーナスポイントをプレゼントします」と書いてあります。
ANA VISAカードで決済した際に貯まる「ワールドポイント」は、通常ポイントとボーナスポイントがあります。これらの交換レートは以下のとおりとなっているんです。
- 通常ポイント:1ポイント=10マイル
- ボーナスポイント:1ポイント=3マイル
となると、還元率は1.3%にみえてしまうかもしれません。そこで一ひねりするのが、このボーナスポイントのみをGポイントに交換することができます(1ポイント=5ポイント)Gポイントはメトロポイントに交換することができるので、ソラチカルートに乗せることができます。これにより、還元率は約1.45%に上昇させることができるのです。
さらに、三井住友カードが発行するカードは決済額に応じてV1~V3のステージが決定され、翌年からボーナスポイントがもらえるようになります。こちらもマイ・ペイすリボでもらえるのと同じくボーナスポイントです。なので、これもGポイントに交換するのです。
ステージごとのポイントは以下の表を参照してください。これらのボーナスポイントを加味すると、理論上は50万円以上の決済で約1.5%、300万円以上の決済で約1.7%になります。
では、このボーナスポイントをいかに低額手数料で発生させるかです。先ほど書いた通り、マイ・ペイすリボの金利が発生しなくても年会費の割引は受けられますが、このボーナスポイント金利が発生しないともらうことができないのです。
具体的には、ちょっとめんどくさいのですが、毎月支払額の確定メールが届いたら、請求額に応じて支払金額を増額・減額させる設定を行う必要があります。これはVpassという三井住友カードのサイトで、1000円ごとに調整することが可能です。微妙に調整しないと大量の金利が発生してしまいますからね。
「具体的にいくらの支払額にすればよいのか教えてくれよ?」という話ですよね。結論からいえば、以下の金額を残金とすれば、極小(10円以下)の金利が発生します。
- 初回は1500円以上残金を残す
- 2回目からは100円以上残す
初回だけは、金利の計算の都合上、カレンダーの並びが最悪の場合を想定して1500円以上残します。支払金額の設定は1000円単位ですから、仮に最大の2499円残すことになったとしても、手数料は最大で10円以下なので、安心してください。また、2回目は100円以上残す必要があります。仮に899円残すことになっても、金利は10円程度でしょうか。
この金利発生について、私はざっくりとした数字を書きましたが、厳密に手数料1円を目指したい人は、以下の記事を読んでください。
kowagari.hateblo.jp
ANA VISA SuicaやANA Tokyu MASTERは死蔵カードして超優秀
ここまでワイドゴールドカードのメリットを延々と語ってきましたが、実はANAの普通カードも、キャンペーンなどの機会があれば発行しておくとよいと思います。
特におすすめなのがANA VISA SuicaとANA Tokyu MASTERの2枚です。これらは、マイ・ペイすリボに登録することにより、年会費が751円まで縮減することができる上に、毎年1000マイルのボーナスマイルをもらうことができます。このボーナスマイルは、ANAのマイル口座に直接加算されるため、移行手数料も払う必要がありません。
つまり、751円で1000マイルを購入していることになります。マイルの価値が低く見積もっても1.5円であるとすれば、非常にお得であることがわかります。ANA VISAゴールドとの重複保有も大丈夫なので、キャンペーンなどの頃合いをみて、別のタイミングで申し込んで損はないと思います。
キャンペーンを活用して申し込むべき
クレジットカードを作成する場合、カード会社が大型キャンペーンを行っている場合があります。
これは2017年4月までのキャンペーンです。「最大65500マイル」と書いてありますが、これはプレミアムカード作成時のポイントで、ワイドゴールドの場合は最大で40,500マイル相当がもらえることになります。このような大型キャンペーンが出た際は、ぜひキャンペーンの内容を通読し、どんどんマイルを稼いでしまいましょう。