民間チーム開発の月面探査車「SORATO」と命名

民間チーム開発の月面探査車「SORATO」と命名
日本で初めての月面探査を目指している民間のチーム「HAKUTO」は、開発中の探査車に「宇宙とともに」という意味を込めて、アルファベットで「SORATO」と命名しました。また、21日は、人気ロックバンド、サカナクションによる「SORATO」の応援歌も披露されました。
宇宙関連のベンチャー企業や東北大学の研究者などおよそ100人でつくる民間のチーム「HAKUTO」は、アメリカの財団などが主催する民間による月面探査の国際レースに参加し、年内に月に向けて出発することを目指しています。

チームでは、現在、開発を進めている、全長およそ60センチ、重さおよそ4キロの探査車に名前をつけることになり、21日東京・江東区の日本科学未来館で発表しました。

チームには、一般から3万7000余りの名前の案が寄せられ、選考の結果、アルファベットで、「SORATO」という名前に決まりました。チームによりますと、宇宙の「宙」の字が「そら」と読めることから、「宇宙とともに」という思いを込めるとともに、月のうさぎならぬ「宇宙をかけるうさぎ」という意味も込めたということです。

記者会見で、チーム「HAKUTO」の袴田武史代表は「名前には月面探査の達成への強い思いを込めました。多くの人に愛される親しみやすい名前になったと思います」と述べました。

また、21日は、日本科学未来館で、男女5人組の人気ロックバンド、サカナクションによる応援歌「SORATO」も披露されました。

サカナクションのボーカルの山口一郎さんは「日本中がSORATOと叫べるような楽曲にしているので、この曲を通してみんなで応援できたらいいなと思います」と話していました。

チーム「HAKUTO」では、ことし12月28日に打ち上げが予定されているインドの企業が開発した月着陸船で探査車「SORATO」を月に送り込む計画で、計画どおりに進んだ場合、およそ1か月後の着陸を見込んでいるということです。

袴田代表「まずは月面探査達成を」

探査車の名前が「SORATO」に決まったことについて、チーム「HAKUTO」の袴田武史代表は「ぴょんぴょん飛び跳ねるウサギをイメージできるすごくいい名前で、管制室でも、『SORATO、前進!』と、呼びやすい名前になったと思っています。人間が宇宙にも生活圏を広げられるように、まずは、月面探査を達成したい」と述べました。

また、当初予定していたアメリカの月着陸船ではなく、インドの月着陸船に搭載することになったことについて、「月面で着陸する地点も変わり、探査車がより高い温度にも耐えられるよう設計を変更する必要が出てくるなど課題があるが、着実に乗り越えられるよう取り組んでいきたい」と述べました。