冨田さんの母「殺人事件だと思っています」小金井女子大生刺傷事件公判
2017年2月21日16時15分 スポーツ報知
東京都小金井市で昨年5月、音楽活動をしていた私立大生の冨田真由さん(21)をナイフで刺したとして、殺人未遂と銃刀法違反に問われている岩埼友宏被告(28)の第2回公判が21日、東京地裁立川支部(阿部浩巳裁判長)で開かれ、冨田さんの母親が証人として出廷した。
母親は冨田さんが襲われた直後、救急搬送された病院の医師から電話で「お母さんはもう、間に合わないかもしれない。(病院の)近くにいる人に確認をしてもらいたいので、連絡を取ってください」と冨田さんが生死の境にあることを告げられたという。「手術の間に顔を見た時は血だらけで顔も腫れており、『本当に娘なのかな』と思った。声が届けばと思い、何度も『頑張って』と声をかけました」と涙ながらに振り返った。
負傷した手の指や口元にまひが残る冨田さんは、現在も週1回リハビリのために病院に通うほか、自宅でも毎日トレーニングを行っているという。「口元のマッサージや舌の体操などをしているのですが、本人は『治る感じがしない』と言っている。本当に一生懸命にやっているのですが、親から見てもつらくなります」と声を絞り出した。
岩埼被告とその家族に対しては「(事件後に)何の連絡もなく、家族も裁判に来ていないと聞いている。今、娘がどんな状況か聞いてほしかったし、聞かないといけないと思います」。強い憤りを見せながら「娘の命は助かりましたが、死んでもおかしくなかった。私は、この事件を殺人事件だと思っています」と言い切った。
22日には岩埼被告の被告人質問のほか、冨田さんが意見陳述を行う予定となっている。また弁護側はこの日、岩埼被告側が冨田さんに対し弁償金200万円を支払う提案をしたことを明らかにした。