乗京真知=クアラルンプール、鈴木暁子
2017年2月21日10時37分
北朝鮮の金正男(キムジョンナム)氏がマレーシアのクアラルンプール国際空港で殺害された13日の事件から、20日で1週間。大胆な犯行は念入りな計画のもとに実行された可能性が高まっている。ただ、主犯格とみられる北朝鮮の男たちは国外へ逃亡し、死因の特定も遅れている。
犯行グループは、空港で正男氏を待ち伏せていた。
出発ホールには有人の窓口のほか、自動チェックイン機が集まる場所が10カ所以上ある。正男氏が選んだのはホール西寄りの一角。実行犯が待ち受けるレストランの目の前だった。行動の癖まで見抜いていたのか。周到な下調べをうかがわせる。
ホールの監視カメラは実行犯2人のほかに犯行の一部始終を見つめる「四つの影」も映していた。32~57歳の北朝鮮国籍の男たち。地元英字紙は「事件を首謀した北朝鮮の工作員」の疑いがあると報じた。レストランの店員によると、4人はホールに面した机を選び、襲撃を見届けると、その日のうちに空路で出国した。警察の調べで、4人はインドネシアやドバイ、ロシアを経由し、17日までに北朝鮮に帰国したことが確認された。
少なくとも1年前から、地元に…
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朝日新聞国際報道部