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 国宝、知恩院御影堂(みえいどう、京都市東山区)で20日、修理のために取り外していた国内最大級の鬼瓦(重さ約930キロ)が屋根の最上部、大棟(おおむね、高さ28メートル)にクレーンでつり上げ、据え付けられた。

 大棟の鬼瓦は東西両端にあり、それぞれ高さ2・27メートル、幅2・94メートル、奥行き0・39メートルで、頭と鰭(ひれ)合わせて九つのパーツから出来ている。東側にある鬼瓦の額には太陽が、西側は月が描かれており、陰陽を表しているという。報道陣に公開されたのは東側で、九つのうち六つを愛知県高浜市で新調し、残り三つは修理して再利用している。新しい部分は、わずかに色が薄くなっており、新旧の違いがよく分かる。西側は大津市ですべて新調した。

 御影堂は1639年、徳川家光が再建。明治末期以来となる修理が2011年から進められている。すべての修理が終わるのは18年12月の予定。(佐藤慈子)