米マクドナルドが、ミントとチョコレートの味が2層構造になった 「チョコレート・シャムロック・シェイク」 と称する期間限定メニューのために、「ストローを再発明した」と豪語するCM動画を公開しました。
動画はあきらかにアップルの新製品紹介を意識した構成になっており、アップルのデザイナーであるジョニー・アイブっぽい(?)人の解説や、やたらと壮大かつくだらない説明などをふんだんに盛り込みつつ、そのへんてこなストローを紹介しています。
発表の目玉となる品はその名もズバリ『STRAW(ストロー)』。動画中では、壮大なCGムービーを使って大げさに説明を展開しています。
ただストローと行っても、このSTRAWの場合は「Suction Tube for Reverse Axial Withdrawal(反対軸上から引き込み可能な吸引チューブ)」を略したネーミングとのこと。
「Jの字」型のストローで、複数の吸い込み口が開けられているのが大きな特徴です。
マクドナルドはこの特殊なストローを開発するためにGoogleのPrioject Araにも携わった航空宇宙工学の専門家と共同作業を行ったとのこと。
そして、このストロー開発のきっかけとなった商品がこちら。
これはミントとチョコレート、2層に分かれた別々の味を同時に楽しめるというのが売りの「チョコレート・シャムロック・シェイク」という商品。ところが、当然ながら普通のストローで混ぜずに飲もうとすると、1度にひとつの味しか楽しめません。そこでマクドナルドは、わざわざ混ぜなくても同時に2種類の味を楽しめるようにするためにストローを「再発明」したとのこと。このSTRAWがあれば、ひとくちで2つのフレーバーを同時に吸い込むことが可能になります。まあ、結局は口の中でごっちゃになるわけですが。
なお、動画のなかでこのSTRAWを解説しているのはJeffrey Roy氏。肩書きは「英国訛りの人」。そう、Appleの最高デザイン責任者ジョナサン・アイブ氏ををイメージした(わりには全然似てない)キャラクターです。
誰やねん...。
動画のモチーフにされたアップルの新製品動画は、目一杯大げさに製品を紹介しつつ、実際にその製品がなにかしら革新的なものを備えていたりする(もしくはそんな気にさせる魔力を備える)わけですが、今回のマクドナルドが作ったパロディ版は雰囲気こそマネしてみたものの、くり出してきた製品がものすごくイマイチなのが残念なところ。
それでも「STRAW」はCM動画のために作った架空のものというわけでもでなく、一応2000本ほどが生産され、米国の一部店舗限定で配布する予定だそうです。
実際にこのストローを試してみた米Engadgetの感想は「シェイクを吸うと途中からどうしても空気が混じってしまって実用性に乏しい、ただの販促品」というもの。しかも、そもそもの問題としてきれいに層状になった「チョコレート・シャムロック・シェイク」自体が入手困難で、マクドナルドを数店舗まわった限りではいずれも最初から混ざった状態のシェイクを渡されたとのこと。
ちなみに、マクドナルドの商品をアップル風に紹介する動画としては、2015年にBuzzFeedが制作した「If McDonald's Advertised Like Apple」があったりします。むしろこちらのほうが完成度が高く、米マクドナルドにはもうすこし努力しろと言いたいところです。
蛇足。本物のジョナサン・アイブはこんな感じの人です。
俺やで!!