感想戦で笑顔を見せるカロリーナ・ステチェンスカ女流2級=東京都渋谷区の将棋会館で2017年2月20日午後3時17分、森田剛史撮影
将棋のカロリーナ・ステチェンスカ女流3級(25)=ポーランド出身=は20日、東京・将棋会館で指された女流名人戦予選で貞升(さだます)南女流初段(30)に勝ち、予選決勝に進出。規定により女流2級に昇級し、将棋界に外国人初の女流プロ棋士が誕生した。
ステチェンスカ女流2級は母国で呼んだ日本の漫画に、登場人物が将棋を指すシーンが描かれており興味を持った。2013年に来日した。育成機関の研修会で昇級を重ね、15年10月1日付で“仮免許”の女流3級に。正式に女流棋士(女流2級)になるには、2年間のうちに規定の成績を上げる必要があった。この日の対局はゴキゲン中飛車を採用、激戦で形勢も入れ替わったが、最後に慎重に読んで相手玉を詰ませ、勝ち切った。
ステチェンスカ女流2級は甲府市在住、山梨学院大大学院に在学中。終局後、「ずっと不安だったが、今年に入って頑張って勉強し女流棋士になることができた。将棋と出合えてよかった。たくさんの人に助けられた」と喜びを語った。
師匠の片上大輔六段は「対局も頑張ってほしいが、彼女にしかできないことをしてほしい」と期待する。
佐藤康光日本将棋連盟会長は「厳しい道のりでしたが、見事な戦いぶりでした。将棋界初の外国人女流棋士として、これからのますますの活躍を期待しています」とコメントした。【山村英樹】