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2017年02月21日 08時22分 UPDATE

「数十秒で死亡」福島第1原発「毎時500シーベルト超え」も、「放射線量上昇」ではない “デマ”拡散、火消しに躍起の東電 (1/3)

福島第1原発で行われた調査で、毎時500シーベルトを超える高い放射線量が推計される場所が相次いで見つかった。海外メディアが誤った形で伝えるなど、衝撃的な数値が独り歩きし始めており、東電などは火消しに追われている。

[産経新聞]
産経新聞

 東京電力福島第1原発(略称1F=いちエフ)2号機で16日まで行われた格納容器内調査では、毎時500シーベルトを超える高い放射線量が推計される場所が相次いで見つかった。人が近づけば数十秒で死亡するという極めて高い値で、ニュースは海外にも配信されたが、一部メディアが誤った形で伝えるなど、衝撃的な数値が独り歩きし始めており、東電などは火消しに追われている。

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画像 東京電力福島第1原発2号機の原子炉格納容器内部調査で撮影された画像。原子炉直下の足場が縦横約1メートル四方にわたって脱落していた。写真は同社が画像を合成(東京電力提供)
画像 2号機の格納容器内で堆積物を除去するロボット。同ロボットの調査中に650シーベルトという高い線量が推計された。途中でカメラが暗くなり作業を中断したが、放射線の影響とみられている(東京電力提供)
画像 報道公開された東京電力福島第1原発の1号機、2号機の建屋(左から)=13日、福島県大熊町(桐山弘太撮影)

 「改めて申し上げますが、もともと燃料が持っている線量は数万シーベルトある。いまはそれを閉じ込めている状況で、530シーベルトや650シーベルトというのは、格納容器の中で確認したもの。新たに発生したわけではなく、外部に影響があるわけでもない」

 東電の岡村祐一原子力・立地本部長代理は9日の定例会見でこう訴えた。誤解に基づく情報が拡散しているためで、その後の会見でも東電は同様の説明を繰り返している。

 きっかけは東電が2日と9日に発表した放射線量だ。格納容器内調査で撮影した画像のノイズを東電が解析したところ、毎時530シーベルトと毎時650シーベルトが推計されたのだ。これまで福島第1原発で確認されている最大値が毎時73シーベルトだったことを考えると、桁違いの値で、記者会見でも驚きの声が上がった。

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