お馴染みの「ナポリカツ」を味わう高橋さん夫妻=花巻市上町のマルカンビル大食堂で2017年2月20日、鹿糠亜裕美撮影
岩手・花巻で「マルカンビル大食堂」オープン
岩手県花巻市の老舗デパート「マルカン百貨店」の大食堂を引き継いだ「マルカンビル大食堂」が20日、オープンした。昨年6月の閉店から8カ月ぶりの再開に、大勢のファンが懐かしい味を楽しんだ。
午前11時半、入り口のシャッターが開くと、詰めかけた人たちが一斉に6階の大食堂を目指した。エレベーター前にできた長い行列は店舗外まで続き、非常階段にも案内を待つ長い列ができていた。
窓際の席で料理を待っていた同市の高橋国三郎さん(77)と妻英子さん(74)は「やっぱり、同じ味だ」と名物の「ナポリカツ」をうれしそうにほおばっていた。2人は東日本大震災後、同県釜石市から移住し、大食堂を毎日のように利用していたという。営業再開を心から喜び「若い人がこうして復活させてくれて本当にありがたい。毎日来て応援したい」とエールを送った。
休日を利用して来たという盛岡市の会社員、村井敬浩さん(45)の息子の謙太ちゃん(5)は「お子様ランチ」の後に箸で食べる名物のソフトクリーム「マルカンソフト」を注文した。
大食堂の運営を引き継ぐまちづくり会社「花巻家守舎」の小友康広代表は「よいところを引き継ぎ、料理教室など新しいことにもチャレンジしていきたい」と話した。【鹿糠亜裕美】