不気味の谷を越えるか?! 人の表情を読むアンドロイド「ガガーリン」
2017.02.20 |- WRITER:
- irbis
2015年にできたばかりのロシアの「IT村」イノポリス(タタルスタン共和国)で、人の感情を理解するアンドロイドが作られているとのニュースを聞き、調べてみました。
「ガガーリン」と名付けられたアンドロイドは、喜怒哀楽と驚き、恐怖、軽侮の七つの感情を見分け、またそれを真似ることもできるそうです。このシステムの開発者、イノポリス大学ロボット技術認知システムラボの長ニコラス・マヴリジス氏によると、人とロボットが一緒に働くには、ロボットが人の感情を判断して的確な反応をすることが最も大切なのだとか。
これが不気味の谷でしょうか
アンドロイド「ガガーリン」には、今はまだ首だけしかありません。将来的には二本の足と腕を持ち、サービスや教育の分野で人間と一緒に働くことが期待されています。
インタビュー映像 操作しているのは研究者でエンジニアのヴァジム・レウツキー氏
目の部分にカメラがあり、相手の表情を認識しています。
配線がむき出しでいかにも機械然とした外見のため、起動前はそれほどでもありませんが、動きだしてしゃべったとたんに表情がやけに生々しく感じられます。これは不気味……というより怖いですね。機械だとはっきりわかっているのに、脳が人間と判断したがっているために、不気味さを感じるのでしょうか。
動かない台座でもいいので、身体が欲しいところです。
ベリャーエフ作のSF小説『いきている首』を思い出します。
ガガーリンはレセプションや博物館のガイド、ショッピングセンターで働くことになるだろう、とマヴリジス氏。たとえば宇宙博で、かの宇宙飛行士ガガーリンのそっくりさんの解説を聞けたなら、印象深く記憶に残りそうですね。
今すぐできそうな仕事
これだけ生きている感じがするのなら、今すぐにでもできそうと思ったのは、お悩み相談です。人に言えない相談も、相手がロボットなら打ち明けやすいかもしれません。こちらの表情に合わせて反応してくれたなら、聞いてもらえるだけですっきりしそうです。
無限の選択肢から適切な解決策を選び出すのも、AIが得意とする分野です。人間に相談すると、聞き手の利害が回答に影響を与えてしまいかねませんが、AIなら私情抜きの中立的な答えを返してくれるのではないでしょうか。
相談者の表情から、この人は自分の答えを肯定してもらいたいだけだと判別できれば、力強く後押しするような言葉を言ってくれれば良いのです。
微妙な表情を読むのは人間にとっても難しいことですが、このようなロボットの目を通してデータを蓄積していけば、判断ポイントがわかってくるかもしれませんね。