月内にも合意の見通し 総資産11兆円超
関西アーバン銀行とみなと銀行、近畿大阪銀行の関西地銀3行が経営統合する方向で最終調整に入ったことが20日分かった。関西アーバンとみなとを傘下に持つ三井住友フィナンシャルグループ(FG)と、近畿大阪を傘下に持つりそなホールディングス(HD)が調整している。月内にも合意する見通しで、実現すれば大手銀行グループの系列を超えた経営統合となり、総資産11兆円を超える国内トップクラスのメガ地銀が誕生する。
日銀のマイナス金利導入などの金融緩和策で地銀の事業環境が厳しさを増す中、規模拡大で経営効率化を目指す。具体的な統合方法については、三井住友FGとりそなHDが3地銀を運営する共同持ち株会社を作る案や、りそなHDが関西アーバンとみなとの両行を株式の公開買い付け(TOB)で買収する案などが検討されている。3地銀が経営統合すれば、関西では京都銀行を抜き最大手の地銀となる。
りそなHDは2003年に最大3兆円超の公的資金の投入を受けたが、経営再建を進め、15年に完済。国際市場で競争するメガバンクとは異なる成長モデルを求め、国内市場での営業基盤の拡大を模索してきた。
一方、三井住友FGは成長分野の海外事業の強化に一段と力を入れる方針で、傘下の地銀に対しては出資比率を抑えたい考えだ。【宇都宮裕一】